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2008年12月30日

「なぜ住宅地のそばに?」 (H20.12.30 毎日新聞) 

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■平成20年12月30日 毎日新聞
大田・宅野地区に不燃ごみ処分計画
「なぜ住宅地のそばに?」
住民ら「守る会」結成、署名活動
「全住民の意見聞いて」


大田市が13年度の稼働を目指し、建設を計画している新しい不燃ゴミ処分場
を巡って、予定地とされた同市仁摩町宅野の住民らが「宅野の自然と生活環境
を守る会」(代表、山上光俊・向西寺住職)を結成。27日夜、町内の集会所で
建設地選定への疑問や意見を出し合った。

これに先立ち、同会は24日と25日、大田市役所を訪問。
竹腰創一市長や市幹部らに、住民への十分な説明と話し合いの機会を求める
要望書を提出した。

要望では、住民の生活圏に隣接する場所にゴミ処理施設が建設されることで、
住民が未知数のリスクを抱え込むことは人道的に許されないと訴え、住宅密集地
に近接しないという候補地選びの条件に違反していると指摘した。

新処分場の候補地は、273戸662人が暮らす宅野地区の北東部山林と農地約
4.7ヘクタール。

大田市議会の「新不燃物処分場用地選定検討特別委員会」(議長を除く全22議員
で構成)が今年8月、市が3次選定で絞り込んだ5候補の中から同地区を選んだ。
これを受けた市は9月、最終候補地に決めた。市の試算では、現在3カ所ある
不燃物処分場は10年末で満杯になるという。

27日にあった守る会の話し合いには、建設予定地の地権者を含む約30人が出席。
山上住職は「300メートルしか離れていない住宅地の近くに造ろうとするのが最大の
疑問。宅野だからだめという地域エゴではなく、どこであっても人が住んでるそばに
造ってはいけないというのは世界的な常識だ」と話した。

参加者からは「海岸から100メートルほどで、コンクリート建築に塩害は大きな打撃」
という発言や「水脈があり、地盤は軟弱」など、選定理由に首をかしげる声が相次いだ。

一方、市は地元との合意形成後に用地買収し、09年度から地質調査や測量に入り
たい計画。先月8日と今月14日に、宅野地区住民に説明会を開催した。市議会も
「市民に説明責任を果たすよう」と明示しており、市環境衛生課は「地元自治会と協議
し、説明していきたい」としている。

同会では今後、既に111人分集まった住民の署名を増やし、住民と地権者(37人)の
完全な同意が得られるまでは計画を進めないよう求めていく。