「自然環境と都市化議論」 (H20.12.27 山陰中央新報)
■平成20年12月27日 山陰中央新報
まちかど通信
「自然環境と都市化議論」
大田市仁摩町宅野にはまだ下水道が引かれていません。
数年先には敷設が予定されていますが、町内は過疎で空き家も多く、
高齢者だけの世帯では、多額の費用を個人負担する余裕もないのが実情。
そんな宅野に新たにごみ処理施設建設の話が持ち上がっています。
「ごみ処理は必要なことですが、住民が住む地域や海から充分に離れた場所を
候補地にするべきだと思います。」
と話すのは宅野向西寺の住職、山上光俊さん(61)。
山上さんは歴史と自然に恵まれた宅野が、次第に住みにくい町になっていくこと
を危惧されています。
「生活道路をごみの運搬車が頻繁に行き来することになると、お年寄りや子供には
危険です。また、宅野特有の海風によるごみ処理の有毒ガスや粉じんの飛散や、
浸出水の海への影響も心配です。」とも語ります。
下水道もゴミ処理も都市化に伴って発生する問題ですが、
一方では、この素晴らしい自然と生活環境を
将来の子どもたちのためにどう残してあげられるのか。
宅野では、今その真剣な話し合いが始まったばかりです。