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2009年2月 3日

あらかじめ決められたこと

ゴミ処分場建設に関しては、
利害のからんだ少数の推進派以外には、
諸手を挙げて賛成する住民なんて、ただの一人もいないのだ。

何よりも、ほとんどの住民が腹立たしく思っていることは、
大田市が地元住民にひと言の相談もなしに、
「宅野へのゴミ処分場建設」を勝手に決めたことだ。

あらかじめ全部決めてから、
建設を前提とした「住民説明会」を、一方的に開催するなんて、
そんな住民を小馬鹿にした話があるものか。

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「宅野の自然と生活環境を守る会」を発足して、
12月24日に初めて大田市長に面会を求めた時、
竹腰市長は「まだ決まった話ではありませんから」と言いました。

しかし実際には、市は粛々と計画を進めていたことがわかりました。


「循環型社会形成推進交付金」というものを環境省が出していて、
大田市はこの交付金を当てにしてゴミ処分場を建設しようとしています。

交付金申請の手続きとしては、
まず、むこう5カ年の「循環型社会形成推進地域計画」なるものを作成し、
国に提出して承認を得る。

提出に先立っては、
市と県と環境省とが意見交換を行う協議会を開催するのですが、
この協議会が、市長と面会した翌日の12月25日に県庁で行われていました。

そして、年が明けて1月23日、県庁から環境省宛てにこの計画書が提出されました。

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こうやって、大田市内の最終処分場の配置を見ると、
全てが海岸部に作られているのがわかります。
海への影響が出るには時間がかかるからという判断か、
こんなふうに海を粗末に扱う行政に任せていては、
きれいな海をこのまま残すなんて、もうできないのかもしれないと思ってしまいます。


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後で入手したこの「循環型社会形成推進地域計画」には、
上図のように、何と「仁摩町宅野地内」と明記された計画案が
綴られていました。

さらに、来年度交付金申請のための個別予算まで計上されています。

・基本設計・実施設計等 ・・・・・・・ 74,980千円
・発注仕様書作成 ・・・・・・・・・・・・・・・ 8,630千円
・生活環境影響調査 ・・・・・・・・・・ 24,080千円
・測量・地質調査 ・・・・・・・・・・・・・ 51,380千円

ここまで決めておきながら、
住民の前では「まだ決まった話ではない」とは、よく言ったものです。
こんな二枚舌を使うような竹腰市政をこのまま許していいものでしょうか。

住民を無視した計画を進めようとする大田市政の横暴については、
国に報告しようと考えています。

地域計画策定プのロセスに地域住民や学識経験者の参加の機会がないなら、
環境省の唱えるお題目とは関係なく、
市町村のご都合主義を助けるような、単なる施設整備の補助金と何ら変わらない。

それを知ったうえで、もしも環境省がこの計画をそのまま承認するようなら、
もっともらしい理想を掲げる「循環型社会の形成」も何をかいわんやです。


住民感情を無視する行為

2月2日、大田市長に抗議に出かけました。
しかし、竹腰市町は会議を理由に私たちに会おうとしませんでした。

「こんな重大な計画を決める前に、何故地元住民に相談しないのか」
その進め方が問題なのだ、ということをまったく理解しようとしない。

それがわからないふりをして、
「宅野に建設ありき」の説明会を重ねることで、
「住民への説明責任を果たす」と言うつもりなんだろう。

どこまでも住民を馬鹿にしたような態度を取る竹腰市政に、
私たちは、どんな言葉をかけてあげればいいのか。

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大田市新不燃物処分場建設計画説明会への抗議文

 住民の生活環境に大きな影響を及ぼすゴミ処分場建設計画に関して、
候補地選定のプロセスに住民の意思が反映されていないこと、大田市
が宅野での建設を前提とした説明に終始していること、に対して住民の
不信感が高まっています。

 平成21年1月20日には、地元住民への説明がないままに宅野が最終
候補地となったことについて、「住民への充分な説明の期間と機会を設
けること」「住民と全地権者の完全な同意が得られるまでこの計画を進
めないこと」の2点を請願する地元住民らの署名が501人となり、その請
願署名簿を大田市長に届けました。

 あらかじめ決定済みの事業方針・事業計画の一方的な説得活動では、
}もはや住民の合意は得られません。よって、この問題に関して、宅野で
の建設計画をいったん中止し、住民や学識経験者をまじえた協働の意
思決定プロセスを導入したうえで、ごみ問題全般に関する真剣な討議を
重ねていくことが重要です。
 
 上記のことの関しては、平成21年1月27日に、市議会議長宛に要望書
を提出したところです。この状況下にあって、請願を提出した「宅野の自
然と生活環境を守る会」への連絡もなく、宅野への建設を前提とした説明
会を現地で開催することは住民感情を無視した行為であり、厳重に抗議
し、以下の2点を要望します。



1 「宅野の自然と生活環境を守る会」との協議なしに、宅野での建設を前
  提とした一方的な説明会を現地で行わないこと

2 住民の合意を得ずに、宅野地内での「測量調査、地質調査、生活環境
  影響評価調査、地権者説明等」を行わないこと。またこれらの予算計上
  を行わないこと


平成21年2月2日
大田市長 竹腰 創一 殿


宅野の自然と生活環境を守る会 代表 山上光俊


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この抗議について、

大田市長名ではなく、衛生処理場からの回答がありました。

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1.宅野地区住民の皆様からいただいた、新不燃物処分場建設に関して
  の請願署名により、住民の皆さんの要望にお答えするため、説明会は
  予定どおり開催してまいります。
2.測量調査等の予算計上は現在、査定中です。

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「木で鼻をくくる」とはまさにこういった時に使う言葉でしょうか。

何が何でも宅野にゴミ処分場を作るのだ、という決意がはっきりと見えて
くる回答です。

市長も含め、市職員というものは、市民のために働くことで、市民の税金
から給料をもらっているのではないのか。
住民を無視して自分たちだけで作った計画を、住民を無視して一方的に
進めようとする市とは、いったい何者なのか。

「開いた口がふさがらない」というのは、
確かこんな時に使う言葉だったかもしれない。