あらかじめ決められたこと
ゴミ処分場建設に関しては、
利害のからんだ少数の推進派以外には、
諸手を挙げて賛成する住民なんて、ただの一人もいないのだ。
何よりも、ほとんどの住民が腹立たしく思っていることは、
大田市が地元住民にひと言の相談もなしに、
「宅野へのゴミ処分場建設」を勝手に決めたことだ。
あらかじめ全部決めてから、
建設を前提とした「住民説明会」を、一方的に開催するなんて、
そんな住民を小馬鹿にした話があるものか。
「宅野の自然と生活環境を守る会」を発足して、
12月24日に初めて大田市長に面会を求めた時、
竹腰市長は「まだ決まった話ではありませんから」と言いました。
しかし実際には、市は粛々と計画を進めていたことがわかりました。
「循環型社会形成推進交付金」というものを環境省が出していて、
大田市はこの交付金を当てにしてゴミ処分場を建設しようとしています。
交付金申請の手続きとしては、
まず、むこう5カ年の「循環型社会形成推進地域計画」なるものを作成し、
国に提出して承認を得る。
提出に先立っては、
市と県と環境省とが意見交換を行う協議会を開催するのですが、
この協議会が、市長と面会した翌日の12月25日に県庁で行われていました。
そして、年が明けて1月23日、県庁から環境省宛てにこの計画書が提出されました。
こうやって、大田市内の最終処分場の配置を見ると、
全てが海岸部に作られているのがわかります。
海への影響が出るには時間がかかるからという判断か、
こんなふうに海を粗末に扱う行政に任せていては、
きれいな海をこのまま残すなんて、もうできないのかもしれないと思ってしまいます。
後で入手したこの「循環型社会形成推進地域計画」には、
上図のように、何と「仁摩町宅野地内」と明記された計画案が
綴られていました。
さらに、来年度交付金申請のための個別予算まで計上されています。
・基本設計・実施設計等 ・・・・・・・ 74,980千円
・発注仕様書作成 ・・・・・・・・・・・・・・・ 8,630千円
・生活環境影響調査 ・・・・・・・・・・ 24,080千円
・測量・地質調査 ・・・・・・・・・・・・・ 51,380千円
ここまで決めておきながら、
住民の前では「まだ決まった話ではない」とは、よく言ったものです。
こんな二枚舌を使うような竹腰市政をこのまま許していいものでしょうか。
住民を無視した計画を進めようとする大田市政の横暴については、
国に報告しようと考えています。
地域計画策定プのロセスに地域住民や学識経験者の参加の機会がないなら、
環境省の唱えるお題目とは関係なく、
市町村のご都合主義を助けるような、単なる施設整備の補助金と何ら変わらない。
それを知ったうえで、もしも環境省がこの計画をそのまま承認するようなら、
もっともらしい理想を掲げる「循環型社会の形成」も何をかいわんやです。