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2009年3月21日

14人全員が建設賛成 (H21.03.21 山陰中央新報)

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■平成21年3月21日 山陰中央新報
大田・新不燃物処分場計画
14人全員が建設賛成
自治会長会
任期切れ迫り採決

大田市仁摩町宅野を候補地とする同市の新不燃物処分場建設計画
について、宅野地区自治会長会は二十日、同地区のからしま会館で
会合を開き、採決の結果、出席した十四人全員が建設に賛成し、同
市に伝えた。

会合は非公開で開催。終了後、同会の藤間照治会長(65)によると、
十四地区のうち、十三地区の自治会長と代理人一人が出席。建設計
画をめぐっては地区内に賛否両論がある中、自治会長の任期が三月
末に迫っており、「問題を長引かせて新たなメンバーに申し送ることは
できない」「決着をつけるべきだ」などの意見が大勢を占め、採決した、
という。

藤間会長は「市が住民説明会で説明したように全国に誇れる施設とし、
工事の際に安全に十分配慮し、運営に住民が参加するよう、きちんと
してほしい。それが賛成の条件となる」と話した。

2009年3月18日

住民発言受け市長再提案 (H21.03.17 毎日新聞)

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■平成21年3月17日 毎日新聞
大田市ゴミ処分場建設
住民発言受け市長再提案
仁摩町宅野
自治会長会と平行


建設の賛否を巡って揺れる大田市の不燃ゴミ処分場問題で
15日、竹腰創一市長が始めて参加し、建設予定地とされた
同市仁摩町宅野の公民館で計画説明会が開かれた。

地元自治会長の藤間照治会長が「これ以上町を二分するこ
とがあってはならない。最終的には(地元の)住民投票で決
めるしかない」と苦渋の決断を表明した。
しかし、市長は閉会のあいさつで「方針決定に際し、自治会
長会にお願いする方向でいかがか」と再提案したが、別の自
治会長が「それは自治会の問題。内政干渉だ」と制する場面
もあった。

説明会には住民120人が参加、竹腰市長や冨田正治・市民
生活部長ら市幹部が出席した。冒頭で、市長が説明不足に
ついて陳謝。「不燃物処分場は最終的に循環・再生できない
ゴミを処理する施設。生活や自然環境、外観に配慮する」とし
理解を求めた。

住民から「有識者や専門家、住民を交え、原点に戻って話し
合うべきだ」「自治会で結論を採らず、市が判断してやったら
いい」という意見が出た。「自治会長でとりまとめを願いたい」
という発言を受けて竹腰市長が「そういう方向でいかがか」と
意見集約したが、自治会長の一人が「自治会の問題に市長
が介入するのは内政干渉だ」とさえぎった。

説明会終了後、藤間会長は「住民投票が一番納得いく考え
方」と話した。さらに、住民投票の意味は市民全体ではなく、
地区住民を対象にしたものだと説明した。

2009年3月16日

市長出席の全体説明会

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ゴミ処理場建設問題がこれほど大きくなるまで、
市長は宅野に来なかったのだ。

しかし結局、「建設ありき」「宅野ありき」の姿勢は変わらず。
「自治会長会に取りまとめてもらいたい」との姿勢も変わらず。


賛成する住民の側もこれに呼応し、
「市長さん、はよ作っておくれよ」と言い出す始末。
驚くことに、
その発言に拍手が起こるのだ。


自治会長は市に対して、
「自治会長会でこの問題について賛否を取りまとめることはできない」
といった苦渋の発言をした。

それに対しても、賛成する住民は
「自治会で取りまとめをやってくれ」と引き下がらない。


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最後には、市長の口から、
「自治会で意見の集約をする方向でどうか」との発言まであった。


各自治区では、世帯単位でしか意見の集約はできない。
世帯主が賛成でも、奥さんや子どもたちの意見がそれと同じとは限らない。
しかし、自治会のとりまとめではそうした意見を吸い上げることは不可能なのだ。

ましてや、こうした体制べったりの「むら社会」にあっては、
地区の寄り合いの中で反対意見を述べることは、
陰でどんな噂を立てられることか、
そのことを思うと、とても勇気のいることには違いないのだが。


今後30年間も不燃ごみを埋め立てようという施設を、ありがたく受け入れる住民たち。
それに対して、思っていることさえ口に出せない住民たち。


それでも、真実は伝えていかなくちゃいけないのだ。

「意見集約 月内に協議」 (H21.03.16 山陰中央新報)

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■平成21年3月16日 山陰中央新報
新不燃物処分場建設計画
「意見集約 月内に協議」
大田・宅野の自治会長会
住民説明会で方針


大田市仁摩町宅野を候補地とした新不燃物処分場建設計画に
ついて、市は十五日、同地区で住民説明会を開いた。計画への
理解を求める市に対し、住民から賛否両論の意見が出され、宅
野地区自治会長会が月内に会合を開き、住民の意見を集約す
るかどうかを協議することになった。

説明会は十三回目で、過去最多の百二十二人が参加。初めて
出席した竹腰創一市長が「説明が不十分で今日に至ったことを
重ねておわびする」と謝罪した上、建設する際は生活環境や自然
に配慮し「全国に誇れる施設を造りたい」と訴えた。

住民からは「最初から建設ありきで、宅野で決まっていた。市の
やり方はおかしい」と選定のやり直しを求める意見が出た一方、
「一期工事を容認し、住民と市が手を携えて運営すべきだ」とい
う声もあった。

同自治会長会の藤間照治会長(65)は昨年末に住民の意見をま
とめた際、一部の自治会を除き、賛成百九十二戸、反対二十三
戸だったことを披露し、賛否をめぐり地区が二分する恐れから一月
に自治会として中立を確認した経過を報告。住民間の対立を避け
るため「最終的に住民投票で決着を」と主張した。

これに対し、住民から「宅野を代表するのは自治会長会しかない」
という意見が出され、竹腰市長が住民の意見集約を自治会長会
に要請する方向性を示した。

終了後、藤間会長は「住民が納得するには住民投票がいいと思う
が、自治会長の任期の三月末までに再度、自治会長会で協議する」
と述べた。


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昨年末にまとめられた自治会長会の賛否は、住民に公平に集約された
ものではありません。その時点では、この建設計画を知らない住民もた
くさんいました。もちろん住民に賛否を取らなかった自治区もあります。
世帯単位では、異なる意見を持つ家族もあり、とても住民一人ひとりの
意見は反映されていません。

自治会長会は、地区の世話焼きこそすれ、こうした重大な問題の賛否
を取りまとめる機関ではないはずです。

自治会長からも「こんな問題のとりまとめをなぜ自治会長会がしなけれ
ばならないのか」という発言もありました。

しかし、それでもなお、市長自らが住民合意のとりまとめを自治会長会
に強要するとはどうしたことか。

何としても計画どおりに、宅野へのゴミ処分場を建設せんがために、市
は躍起になって、住民合意を得ようとしています。

大田市とは、これほどにレベルの低い行政なのだ。


「ごみ処分場計画 大田市長が陳謝」 (H21.03.16 読売新聞)

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■平成21年3月16日 読売新聞
ごみ処分場計画 大田市長が陳謝
賛否巡り地元紛糾で

大田市は15日、竹腰創一市長が初めて同席して、同市仁摩町
宅野の不燃性ごみ処分場建設計画の住民説明会を地元のから
しま会館で開いた。市長は約120人に、賛否を巡り地元が紛糾し
ている事態を陳謝した上で、建設に理解を求めた。

竹腰市長は冒頭、「私共の説明が不十分であったため、現在に
至ったことをおわび申し上げます」とし、「同意していただけるの
なら全国に誇れる施設を整備し運営したい」と述べた。

質疑応答では、市から意見集約を求められている宅野地区自治
会長会の藤間照治会長が「全体のとりまとめをなぜ自治会長会
がしなければならないのか、との意見がある」と述べ、地区住民
による賛否を問う投票を実施したいとした。
これに対し市長は「方針決定は(投票ではなく)自治会長会の判
断でお願いしたい」と述べ、住民からも同調する意見が出された。

藤間会長は説明会後「近く自治会長会で今後のことを協議したい」
と話した。

「説明不足」と陳謝 (H21.03.16 朝日新聞)

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■平成21年3月16日 朝日新聞
不燃ゴミ処分場
「説明不足」と陳謝
住民説明会
大田市長が初出席

大田市が同市仁摩町宅野に不燃ごみの最終処分場の建設を
計画している問題で、竹腰創一市長が15日、住民を対象にし
た市の説明会に初めて出席し、冒頭で「計画について説明不足
だったことをおわびする」と陳謝した。

説明会は地元のからしま会館であり、住民約120人が出席。市
の担当者が施設の概要などを説明したのに対し、住民側からは
「ごみ削減など根本から住民を交えてもう一度話し合うべきだ」
「どこかにつくる必要があり、結論を出す時期に来た」などと賛否
両方の意見が出た。

地元の14自治会の会長でつくる自治会長会からは、住民投票
の実施を求める意見も出たが、竹腰市長は「地元の意見集約
は自治会長会にお願いし、住民投票はしない」と話した。

2009年3月12日

「説明不十分だった」 (H21.03.12 毎日新聞)

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■平成21年3月12日 毎日新聞
大田市不燃ゴミ処分場建設
「説明不十分だった」
市長陳謝
説明会にも初出席


大田市が同市仁摩町宅野に計画中の不燃ごみ処分場建設
の賛否を巡り、地元が紛糾している問題で、竹腰創一市長が
「説明が不十分だったと反省している」と明言。7日に開かれ
た地元の自治会長会で陳謝した。また、15日開催の地区住
民全体を対象にした説明会に初めて出席する意向を示した。

地元では、建設に反対する住民らが昨年末に「宅野の自然と
生活環境を守る会」(山上光俊代表)を結成。候補地選考の
十分な説明と、完全な合意がないまま計画を進めないことを
求める501人分の署名を市長に提出するなどの運動を展開
している。

市は先月末、蓮花正晴副市長以下幹部が、自治会単位で7回
の説明会を開催。会場では、賛否両論の住民同士が口論に発
展したり、市長の出席を求める声も上がった。

市はこれまで、守る会の「候補地決定から地元住民への周知
が遅すぎる」という指摘に対して、「自治会長会で説明した」と
いうスタンスを保ち、両者は平行線をたどっていた。竹腰市長
も「地元には誠心誠意、説明していきたい」と答えるにとどまっ
た。

しかし、市長は7日の自治会長会に、冒頭のあいさつとして出
席。毎日新聞の取材に「説明が不十分だったので、素直におわ
び申し上げた」と話した。さらに、10日の記者会見では「反省し
ている」と地元への説明不足を認め、一歩踏み込んだ姿勢を見
せた。

全体説明会は15日午前10時、地区の「からしま会館」で開催。
市長が、地元住民に説明するのは今回が初めてとなる。

2009年3月11日

韓島と猛鬼遺跡のこと

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16世紀、博多の豪商・神屋寿禎が宅野の韓島沖から光る仙の山を発見。
ここから石見銀山のシルバーラッシュが始まるという。

この韓島は、地元の漁民が沖から戻るのにも良い目印となる島。
韓島神社の祭神・須佐之男命は朝鮮との往来時にいつもこの韓島で休息したとされ、
古くから航海の守護神として大切にされてきた島でもあります。

石見銀山が世界から注目される宝の山となった頃、外国船の到来も多くありました。
銀製錬の灰吹き法をもたらしたのも朝鮮の技術者。
古文書には宅野に流れ着いた外国人との交流が記されています。


そんな韓島の目と鼻の先に、
大田市は巨大なゴミ処分場を建設しようとしています。
竹腰市長は「韓島からは、見えないだろう。」と平気な顔で言われる。

この韓島を含めた宅野の海からの景観は、
歴史的にも、もっともっと大切にするべきではないのでしょうか。

「自然との共生」「環境への配慮」を謳って世界遺産への登録を果たした大田市。
もしここにゴミ処理場を建設するなら、
神屋寿禎が銀山を発見したその韓島沖から、
今度は不燃物処理場の無粋な大屋根が目立つはずです。

世界遺産の足元で、
大田市は言葉とはうらはらな行為を平気でやってのけようとしています。
こんなことを平気でやろうとする大田市に
いったい世界遺産を誇る資格などあるのでしょうか。

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■須恵器や土師器など、猛鬼遺跡からの出土品(詳細はこちら

ゴミ処理場の建設を予定している海岸べりの場所は、
古くから「ジンエモン」と呼ばれ、
神様を迎える神聖な場所としてあがめられていたところです。
そして「猛鬼遺跡」として須恵器などが出土されたりする由緒ある場所でもあります。

そんな場所に、今後30年間も不燃物を埋め立てるゴミ処分場が計画されています。

竹腰市政のむちゃくちゃなやり方に、
地元住民だけでなく、
大田市全域から、そして日本各地からも非難の声があがっています。

大田市は3月15日に、再度建設計画の全体説明会を開催するつもりです。
先日、3月7日に開催された宅野の自治会長会には、
竹腰市長が、住民をさしおいてお忍びで挨拶に来られたようです。

重ね重ね、住民を無視した姿勢がまったく変わらない竹腰市長。
3月15日の説明会では、初めての出席が予定されているようです。

今さら市長は、どんな顔で宅野住民の前に現れようというのでしょうか。