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2009年3月16日

市長出席の全体説明会

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ゴミ処理場建設問題がこれほど大きくなるまで、
市長は宅野に来なかったのだ。

しかし結局、「建設ありき」「宅野ありき」の姿勢は変わらず。
「自治会長会に取りまとめてもらいたい」との姿勢も変わらず。


賛成する住民の側もこれに呼応し、
「市長さん、はよ作っておくれよ」と言い出す始末。
驚くことに、
その発言に拍手が起こるのだ。


自治会長は市に対して、
「自治会長会でこの問題について賛否を取りまとめることはできない」
といった苦渋の発言をした。

それに対しても、賛成する住民は
「自治会で取りまとめをやってくれ」と引き下がらない。


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最後には、市長の口から、
「自治会で意見の集約をする方向でどうか」との発言まであった。


各自治区では、世帯単位でしか意見の集約はできない。
世帯主が賛成でも、奥さんや子どもたちの意見がそれと同じとは限らない。
しかし、自治会のとりまとめではそうした意見を吸い上げることは不可能なのだ。

ましてや、こうした体制べったりの「むら社会」にあっては、
地区の寄り合いの中で反対意見を述べることは、
陰でどんな噂を立てられることか、
そのことを思うと、とても勇気のいることには違いないのだが。


今後30年間も不燃ごみを埋め立てようという施設を、ありがたく受け入れる住民たち。
それに対して、思っていることさえ口に出せない住民たち。


それでも、真実は伝えていかなくちゃいけないのだ。

「意見集約 月内に協議」 (H21.03.16 山陰中央新報)

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■平成21年3月16日 山陰中央新報
新不燃物処分場建設計画
「意見集約 月内に協議」
大田・宅野の自治会長会
住民説明会で方針


大田市仁摩町宅野を候補地とした新不燃物処分場建設計画に
ついて、市は十五日、同地区で住民説明会を開いた。計画への
理解を求める市に対し、住民から賛否両論の意見が出され、宅
野地区自治会長会が月内に会合を開き、住民の意見を集約す
るかどうかを協議することになった。

説明会は十三回目で、過去最多の百二十二人が参加。初めて
出席した竹腰創一市長が「説明が不十分で今日に至ったことを
重ねておわびする」と謝罪した上、建設する際は生活環境や自然
に配慮し「全国に誇れる施設を造りたい」と訴えた。

住民からは「最初から建設ありきで、宅野で決まっていた。市の
やり方はおかしい」と選定のやり直しを求める意見が出た一方、
「一期工事を容認し、住民と市が手を携えて運営すべきだ」とい
う声もあった。

同自治会長会の藤間照治会長(65)は昨年末に住民の意見をま
とめた際、一部の自治会を除き、賛成百九十二戸、反対二十三
戸だったことを披露し、賛否をめぐり地区が二分する恐れから一月
に自治会として中立を確認した経過を報告。住民間の対立を避け
るため「最終的に住民投票で決着を」と主張した。

これに対し、住民から「宅野を代表するのは自治会長会しかない」
という意見が出され、竹腰市長が住民の意見集約を自治会長会
に要請する方向性を示した。

終了後、藤間会長は「住民が納得するには住民投票がいいと思う
が、自治会長の任期の三月末までに再度、自治会長会で協議する」
と述べた。


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昨年末にまとめられた自治会長会の賛否は、住民に公平に集約された
ものではありません。その時点では、この建設計画を知らない住民もた
くさんいました。もちろん住民に賛否を取らなかった自治区もあります。
世帯単位では、異なる意見を持つ家族もあり、とても住民一人ひとりの
意見は反映されていません。

自治会長会は、地区の世話焼きこそすれ、こうした重大な問題の賛否
を取りまとめる機関ではないはずです。

自治会長からも「こんな問題のとりまとめをなぜ自治会長会がしなけれ
ばならないのか」という発言もありました。

しかし、それでもなお、市長自らが住民合意のとりまとめを自治会長会
に強要するとはどうしたことか。

何としても計画どおりに、宅野へのゴミ処分場を建設せんがために、市
は躍起になって、住民合意を得ようとしています。

大田市とは、これほどにレベルの低い行政なのだ。


「ごみ処分場計画 大田市長が陳謝」 (H21.03.16 読売新聞)

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■平成21年3月16日 読売新聞
ごみ処分場計画 大田市長が陳謝
賛否巡り地元紛糾で

大田市は15日、竹腰創一市長が初めて同席して、同市仁摩町
宅野の不燃性ごみ処分場建設計画の住民説明会を地元のから
しま会館で開いた。市長は約120人に、賛否を巡り地元が紛糾し
ている事態を陳謝した上で、建設に理解を求めた。

竹腰市長は冒頭、「私共の説明が不十分であったため、現在に
至ったことをおわび申し上げます」とし、「同意していただけるの
なら全国に誇れる施設を整備し運営したい」と述べた。

質疑応答では、市から意見集約を求められている宅野地区自治
会長会の藤間照治会長が「全体のとりまとめをなぜ自治会長会
がしなければならないのか、との意見がある」と述べ、地区住民
による賛否を問う投票を実施したいとした。
これに対し市長は「方針決定は(投票ではなく)自治会長会の判
断でお願いしたい」と述べ、住民からも同調する意見が出された。

藤間会長は説明会後「近く自治会長会で今後のことを協議したい」
と話した。

「説明不足」と陳謝 (H21.03.16 朝日新聞)

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■平成21年3月16日 朝日新聞
不燃ゴミ処分場
「説明不足」と陳謝
住民説明会
大田市長が初出席

大田市が同市仁摩町宅野に不燃ごみの最終処分場の建設を
計画している問題で、竹腰創一市長が15日、住民を対象にし
た市の説明会に初めて出席し、冒頭で「計画について説明不足
だったことをおわびする」と陳謝した。

説明会は地元のからしま会館であり、住民約120人が出席。市
の担当者が施設の概要などを説明したのに対し、住民側からは
「ごみ削減など根本から住民を交えてもう一度話し合うべきだ」
「どこかにつくる必要があり、結論を出す時期に来た」などと賛否
両方の意見が出た。

地元の14自治会の会長でつくる自治会長会からは、住民投票
の実施を求める意見も出たが、竹腰市長は「地元の意見集約
は自治会長会にお願いし、住民投票はしない」と話した。