大田市議会の公正な判断を望む
平成21年1月20日に大田市長に届けられた501人の請願署名には、
地元住民への説明がないままに宅野が最終候補地となったことについて、
「住民への充分な説明の期間と機会を設けること」「住民と全地権者の完
全な同意が得られるまでこの計画を進めないこと」の2点が記されていま
した。
これに対し大田市が追加で行った説明会の内容は、あくまで宅野への建
設ありきの計画説明と施設の安全性の強調に終始するものでした。これで
は、まったく経緯を知らされずに最終候補地とされた宅野住民の納得が得
られるものではありません。
また、自治区単位の説明会においては、同市幹部自らが「宅野の自然と生
活環境を守る会」のメンバーに退席を求めるなど、意図的に反対意見を排
除しようとする形で行われたものでした。このような説明会において、住民
の意見をまともに聞こうというような姿勢は見受けられませんでした。
さらに、平成21年3月15日に、竹腰創一大田市長が初めて出席した最後
の説明会において、市長は閉会のあいさつで「方針決定に際し、自治会長
会にお願いする方向でいかがか」との発言までありました。
当日はあくまで大田市が開催した「新不燃物処分場建設計画説明会」であ
り、この建設計画に関する住民合意の方針決定を図る場ではありません。
こうした市長の発言について、住民から「それは自治会の問題。内政干渉
だ」との意見もありました。
このように、自治会長会に圧力をかけるような市長の発言は重大な問題で
あり、「宅野の自然と生活環境を守る会」においても、竹腰創一大田市長に
抗議文を提出したところです。
しかし、新聞報道によると、この発言を受けるかたちで、3月20日に非公開
で宅野の自治会長会が開催され、そこでの採決で出席者十四人が賛成し
たことを藤間照治自治会長が市に報告。さらに29日、計画への「同意書」が
市に提出されたとあります。
こんな重要な問題を、市長から圧力をかけられた自治会長が住民への事前
相談もなしに勝手に判断する非常識。このような経緯による非公開の自治
会長会でのわずか14人の採決では、個々の住民の意思が反映されていな
いのは明白であり、住民合意と呼べるものではありえません。
しかし、大田市は「地元の同意書が出たので、測量調査などを進めていきた
い」と、まるで鬼の首でも取ったかのような発言をしています。
誰が考えても、このような民主性に欠ける進め方の異常さは、理解していた
だけるのではないでしょうか。
まったく住民の声を聞かず、強引で一方的な進め方をする大田市。
それに同調して越権行為を平気で行う自治会長会。
今の時代に、こんな茶番が許されていいものでしょうか。
大田市は、「地元の同意が得られたため、早い時期に関連する補正予算案
を市議会に提案し、地権者への説明や測量調査などを進めたい」としていま
す。しかし、この状況で地元の同意が得られたとの解釈は、どう考えても無
理があります。こんなインチキな同意書を添えて提案された補正予算案が、
よもや市議会で認められるとも考えられません。
市議会議長には、すでに平成21年1月27日に以下の2点を記した要望書を提
出しています。
1 住民の合意を得ずに、宅野地内での「測量調査、地質調査、生活環境影響
評価調 査、地権者説明等」を行わないこと。またこれらの予算計上を行わ
ないこと
2 新不燃物処分場建設計画に関して、住民および学識経験者をまじえた「ご
み問題検討委員会(仮称)」を発足させ、今後の対応を委ねること
この問題がどう決着するにせよ、大田市や市議会がいかに判断し行動するのか。
それを、すべての大田市民と他府県在住の大田出身者、
そして宅野を愛する多くの方たちが、関心を持って見守っています。
大田市議会の公正で賢明な判断が望まれるところです。