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2009年4月 1日

大田市議会の公正な判断を望む

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平成21年1月20日に大田市長に届けられた501人の請願署名には、
地元住民への説明がないままに宅野が最終候補地となったことについて、
「住民への充分な説明の期間と機会を設けること」「住民と全地権者の完
全な同意が得られるまでこの計画を進めないこと」の2点が記されていま
した。

これに対し大田市が追加で行った説明会の内容は、あくまで宅野への建
設ありきの計画説明と施設の安全性の強調に終始するものでした。これで
は、まったく経緯を知らされずに最終候補地とされた宅野住民の納得が得
られるものではありません。

また、自治区単位の説明会においては、同市幹部自らが「宅野の自然と生
活環境を守る会」のメンバーに退席を求めるなど、意図的に反対意見を排
除しようとする形で行われたものでした。このような説明会において、住民
の意見をまともに聞こうというような姿勢は見受けられませんでした。

さらに、平成21年3月15日に、竹腰創一大田市長が初めて出席した最後
の説明会において、市長は閉会のあいさつで「方針決定に際し、自治会長
会にお願いする方向でいかがか」との発言までありました。

当日はあくまで大田市が開催した「新不燃物処分場建設計画説明会」であ
り、この建設計画に関する住民合意の方針決定を図る場ではありません。
こうした市長の発言について、住民から「それは自治会の問題。内政干渉
だ」との意見もありました。

このように、自治会長会に圧力をかけるような市長の発言は重大な問題で
あり、「宅野の自然と生活環境を守る会」においても、竹腰創一大田市長に
抗議文を提出したところです。

しかし、新聞報道によると、この発言を受けるかたちで、3月20日に非公開
で宅野の自治会長会が開催され、そこでの採決で出席者十四人が賛成し
たことを藤間照治自治会長が市に報告。さらに29日、計画への「同意書」が
市に提出されたとあります。

こんな重要な問題を、市長から圧力をかけられた自治会長が住民への事前
相談もなしに勝手に判断する非常識。このような経緯による非公開の自治
会長会でのわずか14人の採決では、個々の住民の意思が反映されていな
いのは明白であり、住民合意と呼べるものではありえません。

しかし、大田市は「地元の同意書が出たので、測量調査などを進めていきた
い」と、まるで鬼の首でも取ったかのような発言をしています。
誰が考えても、このような民主性に欠ける進め方の異常さは、理解していた
だけるのではないでしょうか。


まったく住民の声を聞かず、強引で一方的な進め方をする大田市。
それに同調して越権行為を平気で行う自治会長会。


今の時代に、こんな茶番が許されていいものでしょうか。


大田市は、「地元の同意が得られたため、早い時期に関連する補正予算案
を市議会に提案し、地権者への説明や測量調査などを進めたい」としていま
す。しかし、この状況で地元の同意が得られたとの解釈は、どう考えても無
理があります。こんなインチキな同意書を添えて提案された補正予算案が、
よもや市議会で認められるとも考えられません。


市議会議長には、すでに平成21年1月27日に以下の2点を記した要望書を提
出しています。

1 住民の合意を得ずに、宅野地内での「測量調査、地質調査、生活環境影響
  評価調 査、地権者説明等」を行わないこと。またこれらの予算計上を行わ
  ないこと
2 新不燃物処分場建設計画に関して、住民および学識経験者をまじえた「ご
  み問題検討委員会(仮称)」を発足させ、今後の対応を委ねること


この問題がどう決着するにせよ、大田市や市議会がいかに判断し行動するのか。

それを、すべての大田市民と他府県在住の大田出身者、
そして宅野を愛する多くの方たちが、関心を持って見守っています。


大田市議会の公正で賢明な判断が望まれるところです。

自治会長会が同意書 (H21.04.01 中国新聞)

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■平成21年4月1日 中国新聞
仁摩の処分場計画
自治会長会が同意書
反対住民「総意ではない」


建設の賛否で揺れる大田市の不燃ごみ処分場問題で、予定地の
ある仁摩町宅野地区の自治会長会は二十九日、市に同意書を提
出した。市は新年度から事業を進める方針だが、反対する住民団
体は「地元合意とは言えない」と反発している。

同地区での会合で藤間照治会長が竹腰創一市長に同意書を提出
した。環境配慮や地区振興策を求める要望書も添えた。市は「地元
同意を得た。計画通り新年度から測量調査などを進めたい」(市民
生活部)としている。

計画をめぐり、自治会は一月から中立の立場で、今月十五日の市長
出席の住民説明会後も藤間会長が「住民投票がよい」としていた。
その後、「説明会での賛成の大拍手を受け、自治会で判断せざるを
得ない」と転換し、採決で十四人の自治会長が全員賛成していた。

識者を交えた候補地の再選定を求め、署名活動した「宅野の自然と
生活環境を守る会」の山上光俊代表は「説明会出席は一部住民に過
ぎず、自治会長会も住民説明せずに市に報告した。住民の総意では
ない」と批判。今後も白紙撤回を求めていく方向だ。

自治会長会が同意書 (H21.04.01 読売新聞)

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■平成21年4月1日 読売新聞
大田市ごみ処分場計画
自治会長会が同意書


大田市が計画した同市仁摩町宅野の不燃性ごみ処分場建設で、
宅野地区の14自治会でつくる同地区自治会長が、市に計画の同
意書を提出していたことが31日、分かった。
市は新年度から測量調査など建設に向けて動き出す意向だが、
反対する住民側は「住民の総意ではない」と批判している。

市や同自治会長会の藤間照治会長によると、市が開いた3月15
日の住民説明会で、住民や竹腰創一市長から自治会長会で建設
の是非の判断を促されたことを受けて採決した結果、14人の自治
会長会全員が建設に賛成し、29日に市長に同意書を手渡した。

市市民生活部の白坏正道次長は「地元の同意が得られたため早
い時期に関連する補正予算案を市議会に提案し、地権者への説明
や測量調査などを進めたい」としている。

一方、反対する住民グループ「宅野の自然と生活環境を守る会」の
山上光俊代表は、「市長が自治会長会に判断を促すのは圧力をか
けるようなもの。自治会長会も、宅野住民に説明する責任を果たし
ていない」と反発。今後も計画の撤回を求めるとしている。

地元自治会が同意書を提出 (H21.04.01 山陰中央新報)

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■平成21年4月1日 山陰中央新報
地元自治会が同意書を提出
大田の新不燃物処分場


大田市仁摩町宅野を候補地とする市の新不燃物処分場建設計画に
ついて予定地のある宅野地区自治会長会と同地区に隣接する赤井
地区自治会から、三月三十日までに市に同意書が提出された。市は
同意書の提出を受け今後、事業を進めていく方向を検討している。

同意書は二十九日、宅野地区での会合で藤間照治会長(65)が、十
四地区の自治会長の了承を得て、環境配慮や地区振興策を求める
要望書を付けて、竹腰創一市長に提出した。三十日には同地区に隣
接する赤井地区自治会からも同じ内容の同意書が提出された。

藤間会長は「自治会長の任期もあり、次の体制へ結論を長引かせる
わけにはいかず提出した」とした。

市の市民生活部は今後、建設予定地に接する沿岸域に漁業権がある
JFしまねの同意書を得るなどの関係者調整を経て、事業を進めていく
考え。冨田正治部長は「地元の同意書が出たので、測量調査などを進
めていきたい」とした。

計画の白紙撤回を求める「宅野の自然と生活環境を守る会」の山上光
俊代表(61)は「宅野地区自治会長会は市民や地域住民にきちんと説
明をせず、市に同意書を提出しており住民の総意ではない」と話した。