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2009年6月 5日

ごみ処分場の建設には地権者も反対しています。

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地権者有志からのメッセージが届きました。


大田市は、当初から議会をまきこんだ候補地選定や地元団体、有力者の
説得工作など、周到に手続きだけを積み上げ、地元住民には一貫して事
後承諾のスタイルで計画を進めてきました。

大田市から一方的にごみ処分場の予定地とされた場所も、地権者にとっ
ては、先祖から代々引き継がれた、思いのこもった土地なのです。

それを地権者にはひと言の相談もなく(地権者への戸別訪問による説明
は、議会ですべての事業予算が決定された後のことでした)、「決まりまし
たので協力してください」といった、まったく住民無視の手法で進めようと
しているのです。

これほど反対する住民がいるのに、大田市は「住民合意が得られた」とし
て強引に計画を進めようとしています。
当初26億円で最も安価だとされていた事業予算が、議会に上程された
際には37億円にもはねあがっていました。これを議会はまともな質問を
することもなく全会一致で可決しました。

こんな住民をないがしろにしたやり方があるものでしょうか。

先日も、ぜひ実状を聞いていただきたいということで、地権者有志の方々
が竹腰創一大田市長に面会を求めましたが、大田市は「ご協力いただき
たい」の一点張りで、まったく地権者の声を聞く耳を持ちませんでした。


以下は、宅野住民に向けた地権者からのメッセージです。


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地権者としての気持ちを皆さんにお伝えしたいと思います。


今、ごみ処分場に予定されている土地は、かつてお米や野菜が大切に育
てられた耕作地でした。まだ記憶に残っておられる方も多いと思います。
戦中戦後の食糧不足の折、石垣を積み重ねて耕地を作り、その作物でや
っと命を繋いだ日々がありました。そうした先人のご苦労があってこそ、今
の私たちがあります。そのことに感謝の念を持ち続けています。決してごみ
捨て場にしてもいいような土地ではありません。

代がわりや高齢化で既に耕作を断念された方もありますが、やがて訪れる
食料の自給自足時代には、耕地としての再生が可能な土地でもあります。
もちろん今でも、果樹やシイタケ栽培を楽しみにされておられる方もいます。
気を抜けばすぐに藪になってしまうような小道を、季節ごとに草刈り機で丹
念に手入れをされている方もおられます。海に続く小道は、昔からの自然が
残された美しい海へと辿ります。この場所は、いつの時代にも宅野住民の宝
と呼んでいい場所なのです。

夏に帰省する子どもや孫たちに、この宅野の自然をこのままの姿で残して
おいてあげるのが、私たちの役目なのではないでしょうか。

もし、ここに巨大なごみ処分場ができてしまうと、もう子どもや孫を海に連れ
て行ってあげることはできません。そこで採れる貝や海草などは、気味悪が
って誰も食べないでしょう。そればかりか、ごみ収集車が頻繁に行き交う宅野
になど、子どもや孫たちも、帰ってきたいとは思わなくなるでしょう。

それで、本当にいいのですか。
私たちの代で、宅野にそんな巨大なごみ処分場を建設してしまっていいので
すか。
だから私たち地権者有志は、勇気を出して反対の気持ちを市長に伝えること
にしました。

私有地に「測量調査お断り!」ののぼりを立てました。

私たち反対する地権者の所有する土地は建設予定地の主要な面積を占めま
す。そのため、大田市が計画するような施設の建設は、事実上不可能です。

皆さん、一人ひとりの心に問うて、もし「宅野にごみ処分場はいらない」と本心
で思われるなら、どうぞそのお気持ちを言葉に出してください。

平成21年 6月 1日  地権者有志

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