« 2010年9月 1日 | メイン | 2011年2月 5日 »

2011年2月 4日

大田市民が本当に知っておかなくてはいけないこと。

110208_kanban_yoko.jpg


 
2月8日の関口先生のお話について

宅野地区に巨大な不燃物処分場を造ろうという計画が進んでいます。
しかし、それが本当に安心・安全な施設なのか、私たちは、処分場に詳しい
専門家の先生に調査してもらいました。

その結論として、「宅野の建設予定地は多くの水脈が走っており、地質学的
に非常にもろい地盤であり、事故が起きる可能性が高く、処分場の候補地に
するような場所ではない」とのことでした。
また、事前に行われた「生活環境影響調査」についても、ずい分いい加減な
内容であることがわかりました。

大田市が、宅野に処分場を造ることに決めた大きな理由は、「経済性、利便
性」だと説明しています。しかし、他地区に比べ安価とされた建設費は、当初
の26億円から結果的に37億円にふくらんでいます。そして、「絶対に安全・安
心な施設である」と繰り返していたことも、専門家の調査の結果、実際には事
故が起きる可能性の非常に高い施設であることがわかりました。

このまま新処分場の建設が行われると、住民にとって一番大切な「生活環境
の破壊や健康被害」が現実のものになる可能性が大きいのです。

2月8日にお話していただく先生は、日本全国で造られる処分場で、実際に起
こっている事故や健康被害について詳しく調査されている専門家です。処分
場が住民にとってどんなに危険な施設なのか、私たちが生活する海や地下水
や空気にどんな影響をおよぼすのか、具体的な事例でわかりやすく説明して
くれます。どんな質問にもいくらでも応じてくれます。

処分場は本当に危険な施設です。遮水シートは簡単に破れて、海や地下水が
汚染されます。細かな毒性物質は、フィルターを簡単に通り抜けて空気中に飛
散します。そうして、頭上から、土の中から、空気や水や食べた魚などから毒性
物質は体内に滞留します。それがいつまでも分解されることなく、濃縮されて人
の体を壊してしまうことを確信しました。

処分場から出る毒物は眼に見えないのです。臭いも色も、煙が出ないからといっ
ても、安心なことはひとつもありません。
そしてまた、これは宅野だけの問題ではないのです。

大田市がこれまで安全に運用していたと説明する、仁摩町、温泉津、そして大田
の処分場においても、過去に毒性物資が流れ出ていたという事実が、専門家の
調査により明確になってきました。

特に仁摩町、温泉津町の処分場からは、今も基準値を超えるヒ素や鉛が垂れ流さ
れています。にもかかわらず、専任の技術管理職員さえ置いていないのが大田市
の実態です。

例えば、こうした環境汚染により、がんや催奇形性、性ホルモンのかく乱に繋がっ
ていく恐れがあります。

 大田市の場合、これまで造られた三つの処分場も、そして宅野に新たに計画さ
れている処分場も、どれもが海辺に集中しています。これは、特に漁業に関して
の被害がまっ先に現れるということです。

 特に、宅野の計画地は海からの地層が隆起した地盤のために非常にもろく、ま
た水脈が走っているため、盛土も簡単に崩れるような場所です。こんな柔らかい
地盤の上に、長さ100mものコンクリートのプールを造るのですから、ちょっとした
地すべりでも、ひびや割れが起きてしまうのです。そうなるとコンクリートを覆う遮
水シートなどは簡単に破れてしまいます。

 処分場から漏れる毒性物質は海の水が汚染します。その結果、さざえやあわび
等の魚介類の巨大化や雌化、魚の奇形等が現れます。これは五十猛の海でも実
際に起こっていることです。小魚から大きな魚へと毒物は分解されることなく凝縮
され蓄積され、その魚を食べることで人間の体内に入り、やがて身体が蝕まれま
す。水俣病やイタイイタイ病は、もう決してよそ事ではないのです。

 石見ブランドの新鮮でおいしい魚や海産物を、子孫代々までこれからも安全に
食べることができるように、今真剣に考えておかないと、実際に大きな公害にな
ってしまった後では間に合わないのです。
海はつながっています。宅野だけの問題ではありません。

 現在ある、仁摩・温泉津・大田の処分場のずさんな管理実態のこと。37億円もの
税金を使って造られようとしている巨大な処分場により、大田の海がどのように汚
染されるのか。そして住民にどのような健康被害が現れるのか。

2月8日は、大田市民として知っておかなくちゃいけない「本当のこと」を、関口先生
がわかりやすく説明してくれます。とても温かい方です。

ぜひお越しのうえ、納得がいくまでお話をお聞きください。お越しをお待ちしています。


 
<講師>
  関口鉄夫(せきぐちてつお)
     長野県在住 60歳 信州大学卒(環境学科)
     大学などの元非常勤講師、長野県および滋賀県栗東町(現栗東市)、
     沖縄県平良市、山梨県明野村等の公的委員として活躍

<当日のお話>
1 新処分場の立地環境(地形・地質・地下水など)と施設の安全
  性の問題点(粉塵・アスベスト飛散、排水〈構造上排水は避け
  られない〉と水系汚染、施設の事故と地下水汚染の可能性)
2 新処分場の施設の構造と技術上の問題(有害物質の安定化、
  コンクリートの問題点、施設の構造上の問題点、施設の維持
  管理上の問題点など)
3 既存三施設の維持管理上の問題点

「新処分場は本当に安心・安全な施設か。
       ――― 事故?大田市の既存施設の実態」

 とき:2011年2月8日(火) 19:00から
 ばしょ:宅野・向西寺

 
chirashi_01.jpg


上記チラシのダウンロード(pdfファイル)はこちら
 

危機管理の意識 市に欠如

chugoku_110204.jpg


 
平成23年2月4日 中国新聞
「晴耕雨読」
危機管理の意識 市に欠如


「うち(自宅)はセーフでした」
と悠然と家路に就く大田市の幹部に、あぜんとした。
市の3分の1,約5千世帯に影響した1日夕からの断水。
重大事態なのに、市役所一丸となって住民の不便や不安
を解消しようとする姿勢が見られなかった。

車を持たない世帯に水を届けたり、電話対応をしたりと、初
日は仕事がいくらでもあったはず。
だが、所管の上下水道部のほかは10人が応援しただけ。
竹腰創一市長をはじめ、多くの職員は通常通りに夕刻に退
庁した。

市長の下、各部課が連携する対策本部はできずじまい。あ
る町の幹部は「市を挙げて対応しないと、自衛隊や消防、給
水車を持つ近隣市町の応援も要請できないのに」と驚く。

広報もお粗末。普及率50%のケーブルテレビ、同30%程
度の有線放送、広報車などでの周知にとどまり、情報がな
い世帯からの電話が徹夜の上下水道部に殺到した。
報道向け発表は、一切なかった。

上下水道部は「民生児童委員や自治会などに周知しなかっ
たのは反省点」と話す。それ以上に、担当部局に任せきりに
した市の危機管理意識の低さこそが問題だ。(馬場洋太)


まさに、住民不在の大田市政の体質が見事に露見したニュ
ースです。市民病院の件もしかり。一時が万事。
大田市民は、こんな竹腰政権とは、もうきっぱりと縁を切る
べきではないのでしょうか。