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2011年2月10日

遮水シート 管理に不備 (H23.02.10 中国新聞)

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平成23年2月10日 中国新聞
遮水シート 管理に不備
大田市の最終処分場

市民団体調査
県の指導に対応せず


大田市の大田、仁摩、温泉津の3カ所の一般廃棄物最終処分場で、
県央保健所が市に対し再三、廃棄物処理法に違反し遮水シートを
日光にさらすなどの管理の不備があるとして改善を指導していたこ
とが9日、市民団体の調べで分かった。
放流水や地下水のダイオキシン濃度が環境基準を超えた例がある
ことも判明した。

「宅野の自然と生活環境を守る会」が入手した市の観測データでは、ダイオ
キシン濃度が大田処分場の地下水で2000年2月に環境基準の3.9倍、03
年1月に同2倍。温泉津処分場の放流水も01年7月に同1.1倍だった。
市は「処分場の影響と考えるが、その後は基準内にある」として対策は講じて
いない。

守る会が分析を依頼した元長野大講師の関口鉄夫さん(環境科学)は「3処分
場とも遮水工が破れている可能性が高い」とみる。

また、県央保健所は大田、仁摩両処分場への立ち入り検査で、日射による劣
化を防ぐため遮水シートを不織布などで覆う処置を法律通り実施していない違
反を06~08年に5回にわたり指摘。市は認識不足を認めている。

これらを受けて同保健所は昨年12月、仁摩と温泉津の処分場に専任の技術
管理者を配置するよう市に促したが、実施していない。

守る会は8日夜、関口さんを招いて勉強会を開催。市が7月着工を目指す仁摩
町宅野の新不燃物処理場について、関口さんは「厚さ1メートル以上のコンクリ
ートも水や有害物質は通す。海が迫る場所に建てるべきではない」と計画の再
考を促した。

有害物、海に流出も (H23.02.10 毎日新聞)

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平成23年2月10日 毎日新聞
「有害物、海に流出も」
大田に予定の不燃物処理場
専門家、危険性を指摘


大田市が同市仁摩町宅野地区に建設を予定している新不燃物処分場
について、元長野大学講師(環境科学)で、元長野県廃棄物処理施設
検討委員の関口鉄夫さんによる講演会が8日夜、同地区で開催された。
関口さんは予定地の地形図などを示しながら「汚染物質の海への流出
が容易な地形。ここに処分場を作るべきでない」と、専門家の立場から
主張した。

建設計画に反対する住民でつくる「宅野の自然と生活環境を守る会」(山
上光俊代表)の主催。関口さんは、現地で撮影した写真と地形図をスク
リーンに示しながら「木々の豊かな林で沢の地形になっており、地下水も
腐葉土も豊富とみられ、海に豊かな養分を流す機能を果たしている」と
分析。

一方、等高線が各所で断絶していることから、過去に崩落したか、これか
ら地滑りの可能性が高いとし「地震や大雨で蓄積した廃棄物から有害物
質が地下水とともに容易に海に流出し、近海魚を主とする漁業に重大な
影響を与える」と、危険性を指摘した。

市の計画の進め方については「賛否両論の根拠となるデータを専門家に
公開し、市民に判断の機会を与えるべきだ」と批判した。

月内に中止求める要望書 (H23.02.10 山陰中央新報)

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平成23年2月10日 山陰中央新報
月内に中止求める要望書
大田・処分場計画反対団体
市と議会に提出へ
稼働施設の環境調査も


大田市が同市仁摩町の宅野地区に予定している市新不燃物処分場
建設計画に反対する住民団体「宅野の自然と生活環境を守る会」が
8日夜、同地区で集会を開いた。同会の山上光俊代表(63)は、市や
市議会に対し、2月中に、同計画の中止と、現施設の環境調査などを
求める要望書を提出する考えを示した。

同計画は使用限界が近づいている現行の大田、仁摩、温泉津の3カ
所の不燃物処分場に替わる施設として、市が2013年10月の稼働を
目標に事業を推進。予定総事業費は約37億円を見込む。同会は建
設反対を訴え、これまでに市や市議会に陳情書や公開質問状を出し
ている。

集会には市民約25人が参加。山上代表は「安全に不安を感じる処分
場建設計画を進めるには問題がある」としたうえで、市と市議会へ同
計画の中止と、稼働中の3施設の環境調査などを求める要望書を今
月中に提出する考えを示した。

集会では、信州大学などの元非常勤講師で、長野県や東京都の自治
体が設けている環境関連の専門委員会で委員を務める関口鉄夫さん
(60)=長野県中野市在住が講演。

同地区の地形について「市側はもっと調査し、調査内容を公表し市民
に説明するべきだ」とした。

大田ごみ処分場 中止要望提出へ (H23.02.10 読売新聞)

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平成23年2月10日 読売新聞
大田ごみ処分場 中止要望提出へ
反対グループ集会


大田市が仁摩町宅野に不燃性ごみ処分場の建設を計画している
問題で、建設に反対しているグループ「宅野の自然と生活環境を
守る会」(山上光俊代表)が8日夜、同市仁摩町の向西寺で集会を
開き、改めて建設計画の中止を求め、今月中に市に要望書を提出
することを決めた。

講師に招かれた元長野大学講師の関口鉄夫(60)が、市の計画案
に対し、安全上の問題点や住民への情報提供の少なさを指摘。
「処分場を造る前に、なぜごみを減らす努力をしないのか。施設が
できると有害物質が残り、いつか始末に困るときが来る」と話した。

参加した住民からは「どういう経緯で宅野に決まったのか」などと疑
問の声が上がった。

遅い対応 いら立つ市民 (H23.02.10 山陰中央新報)

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平成23年2月10日 山陰中央新報
遅い対応 いら立つ市民
大田・漏水で5000世帯断水

復旧に追われ広報後回し
問われる市の危機管理


1日に大田市内で発生した送水管の漏水事故による大規模な断水。
市内の大田、川合、長久、久利、大森の5町で最大約5千世帯に影響
があり、断水解消に丸2日間を要した。市民からは市の情報提供や対
応の遅さにいら立つ声が聞かれ、市の危機管理体制の問題点が浮き
彫りになった。

大田・漏水で5000世帯断水

「あまりにも突然で、急ぎ、風呂に水を張り、飲料水確保に大慌てだっ
た」
同市大田町の40代主婦は1日昼すぎ、市のケーブルテレビ(CATV)
の音声告知放送で、漏水発生と午後4時ごろからの断水開始を知り、
準備に追われた。

「余裕はあまりなかった。自分は専業主婦なので、すぐ取り組めたが、
仕事もある人はもっと大変だったはず」
市上下水道部によると、通報を受け、同部職員が事故現場に到着した
のは1日午前7時すぎ。同部は午前10時、復旧工事のため、浄水場か
ら配水池への送水を停止。配水池は午後4時すぎに底をつき、断水が
始まった。市が断水の第一報を報じたのは現場確認から5時間後、送
水停止から2時間後の同日正午だった。

同部は送水停止により、午後4時ごろに断水が始まることは予測でき
たとするが、復旧作業や給水所設置などに追われ、広報指示が後回し
になってしまったと説明。
胴部の杉原慎二部長は「正確な情報把握にこだわるあまり、断水の第
一報を出すタイミングが遅れた」と振り返り「もっと早く(情報を)提供して
いれば市民の混乱はもっと少なかった。結果的には後手後手になって
しまった」と悔やむ。

連絡は15時間後

さらに自体が悪化する。1日午後7時すぎの2度目の漏水事故が発生。
市始まって以来の大規模な断水となったが、2度目の漏水事故の連絡
が竹腰市長に届いたのは、発生から約15時間後の翌2日午前10時ご
ろ。1日夕、竹腰創一市長が通常通り退庁した後、庁内で緊急の連絡体
制は動かず、市の緊急時の情報伝達機能の問題点が露呈した。

上下水道部には事故発生後、CATVの音声告知放送や有線放送の未
加入世帯などからの電話が殺到。約500件の苦情や問い合わせがあっ
た。市民からの問い合わせや報道対応も、同部職員が復旧作業に追わ
れながら1日から徹夜で対応し、市長への連絡が遅れた。

「早い段階で復旧すると判断していた」
4日夕、急きょ開いた会見で、竹腰市長は対策本部を設置せず、全庁的
な対応を取らせなかった理由を説明した。

トラブルを教訓に

「今回の事故を教訓に危機管理体制を見直し適切な情報伝達に務める」
会見で竹腰市長は陳謝するとともに、事故調査検討委員会の設置と市の
危機管理体制を見直す考えを表明。市は2011年度の早い時期に事故調
査検討委を立ち上げる方針だ。

予想外の大規模な断水事故であぶり出された市の危機管理意識の低さ
と、部署間の連携など危機管理体制の問題点。ライフラインの重大なトラ
ブルを教訓に、あらためて、市民の安全・安心を支える行政の責任を肝に
銘じ、焦眉の急といえる危機管理体制の構築に本気で取り組んでほしい。
市の姿勢が問われる。


大田市の漏水事故

大田市大田町の県道地下に埋設してある三瓶浄水場からの送水管のバル
ブパッキン部分が破損、漏水していることが1日午前6時すぎの市民通報で
判明。2度目の漏水は送水を再開した同日午後7時、最初の発生現場から
南約2キロの同じ送水管で発生。2度にわたる漏水で、市内の上水道を利用
する約1万3千世帯のうち最大約5千世帯が断水し、完全復旧は2日午後11
時すぎだった。


新聞報道では、竹腰市長に連絡がついたのは翌日登庁してからということに
なっていますが、じゃぁ、何ですか。それまでは市長は誰からも「断水」の話なんか、
ひと言も聞かなかったということでしょうか。
市内の約3分の1の世帯が断水で慌てている最中に、市役所では、担当部署以外、
誰一人そのことを知らず、市長の耳にはその噂さえ入らなかったというのでしょうか。

ましてや、その日市長が平常どおり退庁して、家路に着いてからも、大田の竹腰邸
だけは断水がなかったとでもいうのでしょうか。家庭では断水の話などまったくされ
なかったのでしょうか

それは、「連絡がなかった」のではなく、市民からの抑えきれない苦情が出るまで、
これが大規模な事故だと判断できなかった、というだけのことじゃないですか。

この期に及んで、まだそういった責任逃れをしようとする市長の姿勢は、もうどうし
ようもないですね。あきれてものがいえません。