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2011年2月10日

遅い対応 いら立つ市民 (H23.02.10 山陰中央新報)

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平成23年2月10日 山陰中央新報
遅い対応 いら立つ市民
大田・漏水で5000世帯断水

復旧に追われ広報後回し
問われる市の危機管理


1日に大田市内で発生した送水管の漏水事故による大規模な断水。
市内の大田、川合、長久、久利、大森の5町で最大約5千世帯に影響
があり、断水解消に丸2日間を要した。市民からは市の情報提供や対
応の遅さにいら立つ声が聞かれ、市の危機管理体制の問題点が浮き
彫りになった。

大田・漏水で5000世帯断水

「あまりにも突然で、急ぎ、風呂に水を張り、飲料水確保に大慌てだっ
た」
同市大田町の40代主婦は1日昼すぎ、市のケーブルテレビ(CATV)
の音声告知放送で、漏水発生と午後4時ごろからの断水開始を知り、
準備に追われた。

「余裕はあまりなかった。自分は専業主婦なので、すぐ取り組めたが、
仕事もある人はもっと大変だったはず」
市上下水道部によると、通報を受け、同部職員が事故現場に到着した
のは1日午前7時すぎ。同部は午前10時、復旧工事のため、浄水場か
ら配水池への送水を停止。配水池は午後4時すぎに底をつき、断水が
始まった。市が断水の第一報を報じたのは現場確認から5時間後、送
水停止から2時間後の同日正午だった。

同部は送水停止により、午後4時ごろに断水が始まることは予測でき
たとするが、復旧作業や給水所設置などに追われ、広報指示が後回し
になってしまったと説明。
胴部の杉原慎二部長は「正確な情報把握にこだわるあまり、断水の第
一報を出すタイミングが遅れた」と振り返り「もっと早く(情報を)提供して
いれば市民の混乱はもっと少なかった。結果的には後手後手になって
しまった」と悔やむ。

連絡は15時間後

さらに自体が悪化する。1日午後7時すぎの2度目の漏水事故が発生。
市始まって以来の大規模な断水となったが、2度目の漏水事故の連絡
が竹腰市長に届いたのは、発生から約15時間後の翌2日午前10時ご
ろ。1日夕、竹腰創一市長が通常通り退庁した後、庁内で緊急の連絡体
制は動かず、市の緊急時の情報伝達機能の問題点が露呈した。

上下水道部には事故発生後、CATVの音声告知放送や有線放送の未
加入世帯などからの電話が殺到。約500件の苦情や問い合わせがあっ
た。市民からの問い合わせや報道対応も、同部職員が復旧作業に追わ
れながら1日から徹夜で対応し、市長への連絡が遅れた。

「早い段階で復旧すると判断していた」
4日夕、急きょ開いた会見で、竹腰市長は対策本部を設置せず、全庁的
な対応を取らせなかった理由を説明した。

トラブルを教訓に

「今回の事故を教訓に危機管理体制を見直し適切な情報伝達に務める」
会見で竹腰市長は陳謝するとともに、事故調査検討委員会の設置と市の
危機管理体制を見直す考えを表明。市は2011年度の早い時期に事故調
査検討委を立ち上げる方針だ。

予想外の大規模な断水事故であぶり出された市の危機管理意識の低さ
と、部署間の連携など危機管理体制の問題点。ライフラインの重大なトラ
ブルを教訓に、あらためて、市民の安全・安心を支える行政の責任を肝に
銘じ、焦眉の急といえる危機管理体制の構築に本気で取り組んでほしい。
市の姿勢が問われる。


大田市の漏水事故

大田市大田町の県道地下に埋設してある三瓶浄水場からの送水管のバル
ブパッキン部分が破損、漏水していることが1日午前6時すぎの市民通報で
判明。2度目の漏水は送水を再開した同日午後7時、最初の発生現場から
南約2キロの同じ送水管で発生。2度にわたる漏水で、市内の上水道を利用
する約1万3千世帯のうち最大約5千世帯が断水し、完全復旧は2日午後11
時すぎだった。


新聞報道では、竹腰市長に連絡がついたのは翌日登庁してからということに
なっていますが、じゃぁ、何ですか。それまでは市長は誰からも「断水」の話なんか、
ひと言も聞かなかったということでしょうか。
市内の約3分の1の世帯が断水で慌てている最中に、市役所では、担当部署以外、
誰一人そのことを知らず、市長の耳にはその噂さえ入らなかったというのでしょうか。

ましてや、その日市長が平常どおり退庁して、家路に着いてからも、大田の竹腰邸
だけは断水がなかったとでもいうのでしょうか。家庭では断水の話などまったくされ
なかったのでしょうか

それは、「連絡がなかった」のではなく、市民からの抑えきれない苦情が出るまで、
これが大規模な事故だと判断できなかった、というだけのことじゃないですか。

この期に及んで、まだそういった責任逃れをしようとする市長の姿勢は、もうどうし
ようもないですね。あきれてものがいえません。

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