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2011年2月27日

「新処分場建設計画に関する要望および公開質問状」 その1

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2011年2月25日、竹腰創一大田市長に手渡した要望と公開質問状は
以下のとおりです。

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2011年2月25日
大田市長 竹腰創一 様

新処分場建設計画に関する要望および公開質問状


 平成21年1月20日に提出した501人の請願署名には、地元住民への説明
がないままに宅野が新処分場の候補地となったことについて、「住民への充
分な説明の期間と機会を設けること」「住民と全地権者の完全な同意が得ら
れるまでこの計画を進めないこと」の2点が記されていました。

 しかし、大田市は根拠のない「安心・安全」を強調することに終始し、また反
対する地権者の土地を避けた設計変更をするなど、地元住民の不安の声を
無視したまま、強行に計画を進めてきました。

 平成23年度から新処分場の着工が計画されていますが、下記理由により、
地元住民の安全性がまったく担保されないため、宅野の新処分場建設計画
はいったん中止し、まず地元住民ならびにすべての大田市民に対して、公正
な事実に基づく説明、ならびに行政として為すべき調査を早急に行うことを要
望します。


また、下記の件に関して、市長としての見解を2週間以内に文書で回答いた
だきますようお願いします。


    記

1 平成22年10月の「大田市新不燃物処分場建設に係る生活環境影響調査」(以下、
  環境調査書)は、施設の設計変更以前(平成21年12月)に報告された地質調査を
  もとに作成されており、設計変更前の施設配置を基準とした調査でしかない。
   このため、地質調査のボーリング位置がまったく適切でない。同様に、水質調査
  ならびに観測井の位置も適切でない。これは環境調査書として不備があるといえる。
  このまま再調査をせずに、実施設計や着工に踏み切るようでは、まったく安全性が
  担保されない。

2 上記、環境調査書の「1-8 処分場断面図計画(案)」により、施設はN値50以上の
  基礎地盤の上に設置するため安全であると大田市は説明しているが、計画地は
  多層の地下水脈が走り、地滑りの多発する脆い地質である(詳説は添付の「大田
  市が大田市仁摩町宅野地内に建設を予定している一般廃棄物最終処分場の地
  盤・地質に関する意見」)。このことから、計画地を安全とする説明には根拠がない
  といえる。

3 既存の最終処分場三施設の水質調査データを精査したところ、温泉津の処分場
  で平成13年度に排水基準を上回るダイオキシン類が検出されている。大田処分
  場でも平成15年度に地下水水質基準の2倍を超えるダイオキシン類が検出され
  ている。
  また、県央保健所の立ち入り検査報告によると、仁摩処分場では、記録のある平
  成17年以降、毎年、地下水環境基準を超えるヒ素の検出が報告されている。温泉
  津処分場においても、平成18年には、ヒ素および鉛が地下水環境基準を超える値
  を示しており、引き続き平成20年、平成22年にも基準値を上回るヒ素が検出され
  ている。
   大田市は、市民からの質問に「これまで既存施設は安全に維持管理されており、
  事故はなかった」と回答しているが、実際にはこのような事故が発生している。
   平成22年には、全施設に専任の廃棄物処理施設技術管理者を置くように指導さ
  れているが、環境基準値を超える有害物質流出の事故を市民に公表することもなく、
  これまでにも何ら対策が取られていない。このような管理状態では、既存施設近辺
  の魚介類への影響や地下水等の汚染の進行が非常に危惧される。
4 上記により、住民および全ての大田市民に対し、以下の説明の機会を設けることを
  強く要望する。
   1.設計変更前に作成された環境調査書は、ボーリング位置、観測井の位置等、
     設計変更後の計画の妥当性を調査する内容になっておらず、無効である。
      よって、再度、設計変更後の計画地を基準にした環境影響調査を行い、そ
     の調査結果をすべて公表することで、施設の構造上の問題ならびに、想定さ
     れる危険性を、あらためて住民に説明をすること。
   2.平成21年12月に報告された地質調査において、計画地の基礎地盤が非常に
     脆い地盤であることが記載されているが、この調査報告書も住民には公表さ
     れておらず、計画を進めるにあたって、こうした想定される危険性について
     の説明が行われていないことは、手続き上の大きな瑕疵である。
      よって、再度、設計変更後の計画地を基準にした地質調査を行い、その調
     査結果をすべて公表するとともに、想定される危険性を、あらためて住民に
     説明すること。
   3.既存の最終処分場三施設に関して、各施設に実際に事故があったにもかか
     わらず、その事実を隠蔽するような体質では、最終処分場のような危険な施
     設の維持管理に対してまったく信頼がおけない。
     よって、既存の三施設の過去に発生した事故の内容と原因、また、遮水工が
     正常に機能しているかどうか等の現況施設の状況を詳しく調査するとともに、
     有害物質の流出による、海洋汚染を含めた処分場近辺の汚染進行の状況を
     詳しく調査し、これに関しては、その調査結果と今後の対策を、全ての大田市
     民に説明すること。

5 環境調査書「その他参考資料」のデータから、計画地には廃棄物の不法投棄の可
  能性がうかがわれる(詳説は添付の「新不燃物処分場整備事業に係る環境影響
  評価現地調査結果報告書(平成22年12月)に記載された汚染問題について」)。
  これに関して、大田市は、何よりも環境基準値を超える有害物質が検出された事実
  を市民に公表するとともに、計画を中止して早急に現地の確認調査を行い、不法投
  棄であれば廃棄物の撤去と除染を行うよう強く求める。


宅野の自然と生活環境を守る会


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上記内容について、その2その3で図版を参照しながら解説します。

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