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2011年2月28日

「新処分場建設計画に関する要望および公開質問状」 その3

要望と公開質問状の内容について、その2に引き続き説明します。

★「記5.」で述べた「計画地への不法投棄の可能性」について。

「生活環境影響調査」は一般縦覧に供された報告書以外に、別冊で地質
調査に関する報告書、そして「その他参考資料」というものがありました。

情報公開条例に基づき、申請をして取り寄せたこれらの文書の中に、住民
の安全性に係わる重要な調査結果が記載されていたことがわかりました。
しかし、大田市はその事実を市民にはいっさい公表せず、ただ「安心・安全」
と虚偽報告ともいえる説明に終始していました。


下記の図でもわかるように、計画地の水質調査では環境基準値をはるかに
超える高濃度のダイオキシン類が検出されていました。


over_page02.jpg


ダイオキシン類の水質環境基準が「1pg-TEQ/L以下」ですから、最大約7倍
ものダイオキシン類が検出されたことになります。

また、土壌からもヒ素や鉛が検出されています。


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土壌溶出環境基準では、ヒ素が「0.01mg以下」、鉛も同様に「0.01mg以下」
ですから、ヒ素は1.1~1.2倍、鉛は2.5~2.8倍の値が検出されています。

そして、地下水のph値が極めて強い酸性を示しています。


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また、周辺井戸の重金属汚染も深刻です。
下図のように、鉄及びその化合物が環境基準値の1.8倍、アルミニウム及び
その化合物が9倍もの高い数値を示しています。


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つまり、計画地は既に高度の汚染地帯になっていることがわかりました。
これらは自然値ではありえない数値ですので、総合すると不法投棄による汚
染の可能性が高いのです。


over_page06.jpg

 
大田市は、生活環境調査からこういう重大な事実を把握しておきながら、
なぜ市民に公表しなかったのでしょうか。

住民の健康被害をさしおいても、こうした汚染地帯であることを知りながら、
なおも計画を強行に推進しようとするのは、いったいどういうことでしょうか。


大田市と島根県は、すぐにでも計画地の不法投棄の確認調査をするべき
です。そして、不法投棄が確認されたなら、廃棄物の撤去、除染をしなけれ
ばいけません。当然、調査結果は市民に公表されなければなりません。

もちろん、新処分場の建設計画は中止です。


今回の公開質問状で述べたことは、すべて大田市の一連の調査報告書に
記載されている事実であり、委託業者から調査報告を受ける中で、大田市が
当然知り得た情報です。

大田市の危機管理意識の欠如は、先般の「断水事件」への対応でも明らか
になりましたが、今回のように市民の安全性に係わるこうした事実を、知って
おきながらそれを公表せず、しかも為すべき対応を怠るのであれば、官吏と
しての不作為責任が問われるところです。

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コメント

公開質問を見て、行政の不真面目さを知り憤慨しています。

本件は、大田市・市民生活部―環境衛生課の所轄事項かと思います。「一般廃棄物処理
基本計画」の第3章基本理念~自然と共生や循環型社会を目指す生活環境づくり~と謳
い、「環境基本計画」では~市民全体が一層の環境保全に取り込むことを目的に~制定
し、その第4章では水質・海岸など環境保全施策を重視している。

この部署は、長年市民の公僕として務めてきたベテラン官僚が、時には市長の諮問機関
である「大田市環境審議会」の調査・審議を参考・採用しながら、市民を守り市民の生活第
一としてきた部署だと信じたい。莫大な税を費やしながら…

その結果が「既存3施設からの環境基準をはるかに超える高濃度ダイオキシンの検出
や、…住民の健康被害を差し置いての新処理場計画強行…」。既存3処分場施設から、
有害物質の流出による近辺汚染進行している事実を隠蔽している?…。公僕である市役
所役人が、官僚指導で市長や市会議員にミス情報を出したら困ります。

 いや、官僚から出された正しい情報を、市長や議会が曲げて新処理場計画を強行しよう
として隠蔽してきたのでしょうか? 
本業では儲けが少ないから…「議員が安定稼業」となった議員が増えました。新処理施設
建設に関わり儲かる議員もいます。
 大田市・市民生活部は、市民の安全安心を守るために、自ら定めた「一般廃棄物処理基
本計画」「環境基本計画」の精神に基づき、本来の環境保全に取り組んでください。

よらしむべし、知らしむべからず

活動ブログの「執行部資料から」「市議会資料から」を読み、またまたショックです。
それは、市民の味方だと期待していた市民生活部長が、住民と事前調整を軽視し進めて
きたからです。また、執行部が作った5候補地の評価点表には、内訳に「地元住民の理解
協力」項目が抜けています。

議員は、過去の議事記録では慎重であった議員まで、2点差で評価点が高い宅野に安易
に賛成している。その評価点表に、点数付け根拠検討もそこそこに…多分わが身に煩わし
さが降りかからないと判断したからでしょう。 最も残念なことは、肝心の宅野出身議員は、
「決まったことに対しては、皆さんとともに頑張りたい。」と言っていることです。

科学的根拠軽視(非科学的な評価点表)、市民無・軽視な執行部と議会であっては、大田
市の未来は在りません。 真に「よらしむべし、知らしむべからず」と言える、安心してお上
に任せられる大田市に生まれ変わって欲しいものです。

市役所、市議会が市民を軽視した市政を行うのは、それを放任してきた市民の問題でもあ
るのだろうと反省します。
こうした仰天するような事実が出てきても、「さもありなん」と自虐的に容認してしまうような
風潮がどこかにあったりするからです。

大田市は小さな町ですから、市議をはじめ、市職員、教職員、JA、FA、地元業者から、地
元の世話役まで、皆ががんじがらめのつきあいと利害関係で連なっています。
物事の善悪よりも、一部の有力者たちが決めた大きな流れに従うことで、あらゆる事が決
まっていくような仕組みになっています。
だからこそ、正しい意見が通らない社会、市民軽視の茶番劇のような市政がまかりとおる
のです。

でも、こういう市政は絶対に変えていかないといけません。こんなことでは、未来ある若者
たちは大田を見捨てていくばかりです。若者が住みたいと思えないような町に、明日の希
望などありません。

市民を軽視するような市政には、市民がはっきりとNOと言えるようにならないといけないと
思います。そのためにも、この宅野のゴミ処分場問題がひとつのきっかけとなり、その先鞭
をつけられるようになればさいわいだと考えます。

こういう大田の現状を、まずは大田を愛する一人でも多くの人に知ってもらいたいと思いま
す。県外で活躍されている方にも、大田出身の素晴らしい方がたくさんおられます。県外に
出られた方は、ぜひ外からの客観的な目で判断していただき、知人・友人を通してでも、大
田が少しでもよくなるように、愛すべき大田になれるように、大田の世論に働きかけていた
だければたいへんうれしく思います。