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2011年4月30日

5月8日 関口さんの講演会

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余震の続く長野県から、関口先生に来ていただきます。
今年3回目の講演会です。

「ゴミ処分場の安全性を考える。」
 というのが今回の講演のテーマです。

全国のゴミ処分場で起きている環境汚染と住民の健康被害。
私たちの身近で建設が計画されているゴミ処分場は、本当に安全なのでしょうか。
関口先生に、10の素朴な疑問をぶつけます。

★10の素朴な疑問
1.「既存のゴミ処分場が満杯だから新しい処分場が必要?」
2.「大田市のゴミ処分場は、安全に管理されているの?」
3.「候補地選定は充分に検討がなされた結果ですか?」
4.「計画地は巨大な施設を建設しても問題のない地盤なの?」
5.「屋根がついた最新施設だから安全・安心は本当?」
6.「30年先まで埋め立てが可能な37億円の施設って?」
7.「生活環境影響調査の結果は何も問題なかったの?」
8.「環境基準値を超えるダイオキシン。海に影響はないの?」
9.「宅野の新処分場建設で想定できる事故と健康被害は?」
10.「計画地に不法投棄の可能性があるって本当?」

これ以外にも、皆さんの質問にどんどんお答えします。
この機会に、ぜひ足をお運びください。

日時:2011年5月8日(日) 19:00から
場所:宅野まちづくりセンター(大田市仁摩町宅野)
入場無料です。

    ※大田方面からお越しの方は、
       9号線、赤井交差点で右折。
       坂を下った分岐で左折。つきあたりの四辻を右折して橋を渡る。
    ※温泉津方面からお越しの方は、
       しおさいロードの歩道橋を左折。道なりに宅野港まで進み右折です。


講演会の案内チラシはこちらです。

市は、あくまでも計画を推進 (H23.04.29 山陰中央新報)

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平成23年4月29日 山陰中央新報
大田市の新不燃物処分場建設
計画予定通り推進
反対団体に市が文書回答


大田市は27日、同市仁摩町宅野地区で進める新不燃物処分場建設計画に
反対する住民団体が、建設計画停止などを求めて提出した要請書に文書で
回答し、予定通り計画を進める考えを示した。住民団体側は引き続き建設計
画の停止などを求めるとしている。

提出したのは「大田の自然と生活環境を守る会」(山上光俊会長)。
市が建設候補地や周辺地で行った調査で、水質汚濁防止法の水質環境基
準(1リットル当たり1兆分の1グラム以下)の最大6.9倍のダイオキシン類が
検出されているとし、候補地内に不法投棄された可能性があると指摘。

市に要請書を提出し、専門家立ち会いでの公開調査や汚染対策が済むまで
の間、建設計画の実施を停止するよう求めていた。

市は計画文書で同法に基づき検出の原因をあらためて調査するとし、汚染
対策については「(建設計画の)本工事の実施に併せ講じていく」とし、工事
は予定通り行う考えを示した。

同会の西尾功代表は「市民の安全を守る上で、納得できる内容ではない」
と話した。

新処分場は老朽化した3施設の代替施設として、ことし8月着工を予定。
13年10月の稼働を目指す。諸事業費は約37億円を見込んでいる。

 
~~~~~~~~~~~
4月4日に市長に提出した要請書の件、4月25日付で回答が戻ってきました。
原文はこちら

1.「環境影響評価調査で、計画地内に環境基準値を超える有害物質が検知
  された件、事実を議会・市民に公表し、今後の対策を説明せよ」と求めたの
  ですが、大田市は縦覧に供したことだけで充分とみなすようです。

   しかし、環境影響評価調査については、住民や議員への説明時に「概要版」
  を渡され、何も問題はありませんという説明しかなされていません。また、今後
  の説明・協議に関しても、市民や議会に図ることなく、密室での処理に終始さ
  せることを表明しています。

2.「汚染対策が完了するまでの計画停止」を求めましたが、あくまでも工事を進め
  ることを主眼とした姿勢であり、既に生活環境の保全に支障をきたしている事の
  重大性をないがしろにした回答に驚くほかありません。

3.「不法投棄が疑われる地点について、市民や専門家、報道機関の立ち会いに
  よる公開調査」を求めましたが、これも密室での処理に終始させることを表明し
  ています。

  この件については、平成22年10月に環境影響調査報告があがった時点で、環
  境基準値を超える有害物質の検知は、既に市長以下が把握していることであり、
  疑われる不法投棄については法に基づいて速やかに措置すべき問題です。
  回答にあるように、「本工事の実施に併せ」て、市が判断するようなものではあり
  ません。

  
以上、地下水汚染、海洋汚染が進行する計画地内の現状に対して、大田市として市民
の生活環境の保全に誠意をもって対処するよう、さらに求めていきたいと考えます。

2011年4月 7日

不法投棄の恐れ 市に調査求める(H23.04.05 毎日新聞)

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平成23年4月5日 毎日新聞
不法投棄の恐れ
市に調査求める

大田の新処分場

大田市が同市仁摩町宅野に建設を計画している新不燃ごみ処分場について、
建設反対の住民でつくる「大田の自然と生活環境を守る会」(山上光俊会長)
は4日、計画地でごみの不法投棄が常態化している可能性があるとして、市に
建設計画の停止と、公開による不法投棄の調査を行うよう求める要請書を提
出した。

同会によると、建設予定地となっている山林や空き地に破砕コンクリートやか
わら、プラスチック容器、タイヤなどが捨てられているのが確認できたという。
また、市が建設に向け09~10年に計3回行った予定地地下水の環境調査か
らも、国の基準(1リットルあたり1兆分の1グラム)の1.7~6.9倍のダイオキ
シン類が3カ所で1~2回検出されたことから、焼却灰も投棄されている恐れ
があるとして、その調査と建設停止を求めた。

市では調査と不法投棄の防止に努めるとしたうえで「予定地は住宅地や農地
からも遠く、生活に影響は無い」とし、建設は予定通り進める方針。


※市の、このコメントはいったい何でしょう?
 不法投棄は、住宅地や農地からの距離にはまったく関係なく、法律に
 違反して投棄されていることが問題なのです。
 ましてや、環境基準値を超えるようなダイオキシンが検出されているので
 すから、そんな場所で建設を進めるなどもってのほか。
 法律に従って速やかに措置するべきです。
 そんな基本的な認識もなく、市がコメントしているとしたら、それこそ大き
 な問題に違いありません。

大田市に不法投棄調査要請 (H23.04.05 中国新聞)

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平成23年4月5日 中国新聞
大田市に不法投棄調査要請
処分場計画で住民団体

大田市が仁摩町宅野で計画する不燃物処分場をめぐり、建設に反対する
住民団体「大田の自然と生活環境を守る会」(山上光俊会長)が4日、予定
地周辺に有害物質を含むアスファルトなどが不法投棄されているとし、竹
腰創一市長に調査を求める要請書を提出した。

予定地周辺では、市が昨年8月まで1年間実施した生活環境影響調査で、
環境基準値の最大6.9倍のダイオキシンが検出された。

守る会は、市民や専門家が立ち会う公開調査を要請。「高濃度のダイオキ
シンは自然界に存在せず、人為的な汚染の疑いが強い。汚染土壌に処分
場を建設すると、事故があっても汚染源を特定できない」と訴えている。

市は「今後有識者を交えて調査する」としている。

守る会は3月、予定に隣接する約1.5ヘクタールを調査。有害なベンゼンな
どを含むアスファルトなどが投棄されていたという。

公開調査と計画停止を (H23.04.05 山陰中央新報)

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平成23年4月5日 山陰中央新報
大田市新不燃物処分場候補地
公開調査と計画停止を
基準上回るダイオキシン検出

反対団体が要請


大田市が同市仁摩町の宅野地区に予定している新不燃物処分場建設計画に
反対する住民団体が4日、処分場建設候補地内で水質汚濁防止法の水質環境
基準を上回るダイオキシンが検出されているとして、原因の公開調査と、汚染
対策が済むまでの間、建設計画の実施停止を求める要請書を提出した。

要請書を提出したのは「大田の自然と生活環境を守る会」(山上光俊会長)。
市の公開条例に基づき入手した、市の「生活環境影響調査」を独自に分析しまと
めた。

それによると、市が2009~10年に処分場建設候補地や周辺池で行った調査で、
水質汚濁防止法の水質環境基準値(1リットル当たり1ピコグラム以下)の6.9倍
のダイオキシン類が検出されており、候補地内に不法投棄された可能性があると
した。

この日、山上会長ら会員10人が竹腰創一市長を訪ね、専門家立ち会いでの公開
調査や汚染対策を完了するまでの間、計画の実施停止を求める要請書を手渡し、
文書での早急な回答を求めた。

山上会長は「市は原因を調べ、至急対応してほしい」とした。

市の担当者は、6.9倍のダイオキシン類が検出されたのは事実で、農薬が原因の
可能性があるとしたうえで「すぐに人体に影響が出る量ではなく、候補地近くの海
域から基準値以上の量は確認されていない」と説明。
今後調査を検討するが、計画の停止は考えていないとした。

新処分場は7月に着工予定で13年10月の稼働を目指す。総事業費は約37億円
を見込む。

同会は4月「宅野の自然と生活環境を守る会」から会の名称を変更した。


※「すぐに人体に影響が出る量ではなく・・」。どこかで聞いたようなコメントです。
  環境基準値を超えていること自体が問題なのに、専門知識もない担当職員が、
  健康被害について憶測を述べるなどまったく言語道斷です。

不燃ごみ処分場 中止求め要望書(H23.04.05 読売新聞)

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平成23年4月5日 読売新聞
不燃ごみ処分場
中止求め要望書

大田の住民グループ

大田市仁摩町宅野に建設予定の不燃ごみ処分場について、住民グループ
「大田の自然と生活環境を守る会」(山上光俊会長)が4日、竹腰創一市長
に。改めて建設計画の中止などを求める要請書を提出した。

要望書では、計画地内でごみの不法投棄が行われている可能性を指摘。
建設計画の即時停止や、市民や専門家、報道機関の立ち会いのもとで、
現地の公開調査を求めている。

山上会長や地権者ら10人が市役所を訪れ、「市民は非常に危機感を抱い
ている」と竹腰市長に訴えた。

同会は、1日付で「宅野の自然と生活環境を守る会」から改称し、これまで

代表を務めていた山上光俊氏が会長に就任した。

大田をよくしたいNews 第002号

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大田をよくしたいNews 第002号
2011年4月3日発行

「えっ、宅野にゴミ処分場 !?」
それは、ふってわいたような話

 
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仁摩町宅野は世帯数が250ほど、過疎高齢化が進む海辺の小さな部落です。
ここに巨大なゴミ処分場の建設が計画されていることを知ったのは、すでに
宅野が最終候補地として決定された後の住民説明会の席上でした。

大田市からは、利便性と経済性で宅野が最終候補地になったと説明されま
した。しかし、他の候補地と比べて最も安価だったとされる総事業費約26億円
は、議会を通過した時には、約37億円にもふくれあがっていました。

ゴミ処分場建設が計画されている場所は、昔から水が湧き、土砂崩れがたび
たび起こるような脆い地盤のところです。また、流れ出た水がやがて海に達す
るような地形です。

それに、住宅密集地から、僅か300mしか離れていない場所なのです。
何故こんなところにゴミ処分場を作らないといけないのでしょうか。
 私たち住民は、本当に何も知らされていませんでした。この計画は、最初から
何かがおかしいのです。

 住民の知らないところで、まるで大きな力が働いているかのように候補地が
手際よく絞り込まれました。そして住民の心配をよそに、本来なら真っ先に反対
するはずの漁協や地元市議、自治会役員らが当初から建設推進を支持し、建
設受諾の合意形成も、外堀から順番に行われていきました。

「住民説明会」では、素朴な疑問を投げかけようとする住民に、建設推進派か
らヤジや怒号が飛び交います。
行政のこうした一方的なふるまいに対して、私たち住民は対抗できる知恵を
持っていなかったのです。

宅野の自然や生活環境が保全されるようなきちんとした説明がほしいと要求
しても、大田市は根拠のない「安心・安全」を強調するだけでした。
そうして、計画に反対する住民を追いつめながら、なしくずしに用地買収が進
められ、巨大なゴミ処分場の建設計画が着々と進められてきたのでした。

 
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情報公開を求めてわかったこと

しかし、その間に私たちも少し勉強しました。専門家の協力も得て、「いったい
何がおかしいのか」を細かく検証していくことにしました。 そして、だんだんわ
かってきたことがあります。

まず「候補地の選定方法がおかしい」ということです。

廃棄物最終処分場の建設は、環境破壊や有害物質の流出事故等も想定さ
れることから、住民の生活環境の保全を最優先に考慮する必要があります。

そのためには、候補地の選定から住民や専門家が参画し、検討を重ねる必
要があります。しかし、大田市はこの手続きを踏みませんでした。
市職員のみで構成する検討委員会が候補地を絞り、市議会議員のみで構
成する特別委員会で最終候補地が決められました。そのことが情報公開制度
によって入手した議事録でわかりました。

また、他と比べて最も安価であるとされた26億円の建設費が、議会の通過
時には37億円に増額されていたこと。それも議会でほとんど質問もなく可決
されていたことに、驚くばかりでした。

急激な人口の減少が予想される大田市で、今後30年間も埋め立てるような
巨大な最終処分場が、いったい何故必要なのでしょうか。この莫大な建設費
はそのまま有利子負債となって、やがて市民に重くのしかかってくるのですか
ら。

 
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やっぱりおかしい市民軽視の体質

ゴミ処分場の建設が身近な問題として迫ってくるまでは、私たちも市政につ
いて真剣に考えることはありませんでした。市役所は市民のために働いて
くれていると信じていたのです。

しかし、調べれば調べるほど、市民を軽視した市政が行われていることに
気づかざるをえませんでした。
このことは「大田をよくしたいNEWS 001号」、「ダイオキシン特集号」に詳
しく掲載していますが、例えばゴミ処分場建設に先立って行われた「生活環
境影響評価調査」も、市民に縦覧された報告書は概要書のようなものだけ
で、都合の悪いデータは一切公表されていないのです。

市立病院の問題や断水事件など、最近大田市の不手際がとみに目立つよ
うになりました。

ゴミ処分場の問題も根は同じです。こうした市民軽視の市政を根本的に変え
ないかぎり、大田市に明るい未来はありません。よりよいまちづくりのために、
共に力を尽くしていきましょう。

2011年4月 5日

大田をよくしたいNews 「ダイオキシン特集号」

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大田をよくしたいNews 「ダイオキシン特集号」
2011年3月30日発行

史上最強の毒物「ダイオキシン」
処分場計画地に基準値の6.9倍!


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001号のニュースでもお伝えしましたが、仁摩町宅野に計画されている
ゴミ処分場の環境調査によると、計画地を流れる河川水から、最大で
環境基準値の6.9倍という高い数値のダイオキシン類が検出されました。

ダイオキシンというのは、史上最強の毒物だといわれています。ベトナム
戦争の時にアメリカ軍が用いた枯れ葉剤に含まれていたのがダイオキシ
ンで、戦争後に奇形児の出生率が大幅に高まったことから注目を集めま
した。
また、日本でも「カネミ油症」の公害事件が発生しています。この時には
食用油に混入したPCBが加熱によってダイオキシンに変化し、様々な
健康被害を引き起こしました。 このダイオキシンがどこから作られるか
知っていますか。実はその多くは「ゴミ処分場」からなのです。ゴミを燃やし
た時に出る煙や最終処分場に埋められる燃やした後の灰。このふたつに
大量のダイオキシンが含まれているのです。

では、そのダイオキシンはどうやって人間の体内に入るのでしょうか。
ダイオキシンは、空気中や土壌を汚染し、それが河川などを伝って海に
流れ込みます。それから自然界の食物連鎖よる「生体濃縮」が行われて
いくのです。
海に流れ込んだダイオキシンを小さなプランクトンが、そのプランクトンを
魚が、その魚を人間が、という風に自然の食物連鎖の過程で、より高濃
度のダイオキシンになり、やがて人間の体内に取り込まれていくことにな
ります。
そして、最も怖いのが赤ちゃんへの影響です。20年、30年とお母さんの
体内に取り込まれたダイオキシンは、何と胎盤や母乳を通じて生まれて
くる赤ちゃんに送り込まれてしまうのです。

ダイオキシンは、そのほとんどが食物から体内に取り込まれます。その
中でも日本人は魚介類からの摂取が多いのです。
 今回の計画地は海のすぐ側。その河川から高濃度のダイオキシンが
検出されたことは、私たちの健康に直接影響を及ぼしかねない大きな
事件だといえます。 

しかし、何故でしょう?大田市はこの事実を市民に公表しませんでした。

 
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これが不法投棄なら犯罪です!

しかも、現地調査で検出された有害物質は、ダイオキシン類だけではありませ
ん。土壌からは環境基準値を超えるヒ素や鉛、重金属等も検知されています。
また地下水PHも3.5~4.0と強い酸性が観測されているのです。 

いずれもこの地域ではあり得ない検査結果であることから、計画地内には、焼
却灰や飛灰、廃酸等を含む大規模な不法投棄が行われた可能性があります。 

不法投棄の疑いがある現場は、計画地の海岸道路沿いです。当初、谷地形で
あったところが、道路面の高さまで埋められた状態になっており、上部からも残
土に混じった廃棄物が大量に含まれていることが確認できます。

海の側なので、魚介類への不法投棄汚染の影響が心配されます。アジやサバ
等の近海魚ほど、ダイオキシン濃度が高いといわれているからです。
 大田市には、島根県や警察と協力して、速やかに不法投棄の現場確認を行い、
違反者の摘発と汚染原因の把握、そして除染を強く要請します。

サビキで釣ったアジくらい、持ち帰って安心して食べたいものです。


 
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専門家が不在?
大田の処分場

いろいろと調べるにつけ、どうしても考えてしまうのが、大田市の危機管理
の甘さです。
既存の処分場の地下水においても環境基準値を超えるダイオキシン類が
検出されたことは、001号のニュースでも取りあげました。そのことを指摘
した際の大田市からの回答に、「ダイオキシン類の検出は周辺環境(地層)
に含まれるSS(浮遊物)の影響により、SSに含まれたダイオキシン類を水
質として検出していたものと考えております」という表現がありました。その
SSを除去したら基準値以下になりました、とあるのです。

えっ?ちょっと待ってください。

そもそもダイオキシンはSS(浮遊物)に吸着して移動するものです。だから、
これを測定して正解なのです。除去すれば、測定する意味がなくなるのです。

どうしてこんな笑い話のような回答がくるのかと調べたら、大田市の処分場
には、法律で定められている技術管理者が一人もいないことがわかりました。
 市民の安全や生活環境の保全を第一に考えるべき処分場の職員が、ダイ
オキシンの基礎知識さえ持っていないなんて、まったくもう笑い話にもなりま
せん。

大田市に「不法投棄」の公開調査を要請

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新処分場の計画地内において、水質環境基準の6.9倍という高い数値の
ダイオキシン類が検出されました。
また、地下水PHも3.5~4.0と強い酸性が観測されています。

これらは、大田市が行った環境アセスの計量データに記載されていたものです。

いずれもこの地域ではあり得ない検査結果であることから、
計画地内において、焼却灰や飛灰、廃酸等を含む大規模な不法投棄があった
可能性をうかがわせるものです。

専門家からも、以下のようなコメントをいただいています。

<専門家の指摘>
・確認された廃棄物は以下のとおりです。
 アスファルト、コンクリート破砕物、かわら、スレート、プラスチック容器、塩化ビニール製
 パイプ、カセットテープ、タイヤ、オイル缶、缶などです。
・アスファルトからはベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロメタンなど有機化合物の溶出・
 揮発の可能性があり、投棄されていた廃棄物には、アスベスト含有製品も混じって
 いたので、厳格な処置が必要。
・残土処理に見せかけた不法投棄の場合、焼却灰や集塵灰(飛灰)や廃酸・廃アルカリ、
 汚泥など危険な物質を隠す場合が多く慎重な調査が必要。
・生活環境影響調査のデータから、明らかな人為的汚染と判断すべき。


そこで、以下の点について、大田市長宛に要請書を提出しました。

1.生活環境影響調査によって計画地で明らかになった事実について、ただちに、
  議会・市民に公表し、今後の対策について説明すること。

2.同時に、汚染原因が明らかになり、汚染対策が実施・完了するまで、
  新不燃物処分場計画の実施を停止すること。

3.不法投棄が疑われる地点について、市民・専門家・報道機関の立会いのもと、
  トレンチ調査及びボーリング調査、必要な環境測定等を実施すること。
   同時に、将来にわたり生活環境の保全上の支障が生じないようにするため、
  廃棄物の同定、汚染原因の判断、地質汚染を含む汚染域の判断に関しては、
  当会の推薦する複数の専門家を大田市の負担にて参加させること。


大田市長に、
「計画地がダイオキシン等に汚染されていること」の報告を受けたのはいつか、
と尋ねたところ、環境アセスの報告書が納品された平成22年10月頃だという
答えが返ってきました。

環境省、平成17年8月12日「行政処分の指針について(通知)」においては、
「行政庁として違反行為の事実を把握することに最大限努め、それを把握した場合には、
いたずらに刑事処分を待つことなく、速やかに行政処分を行うこと」とあります。
また、「事実認定を行う上では、法に基づく立入検査や報告徴収や関係機関との連携を
積極的に活用し、事実関係を把握すること」とあります。

竹腰大田市長が、計画地が汚染されている事実を知らされてから、
既に5ヶ月が経過しようとしています。
行政庁として、人為的な汚染原因が計画地にあることを把握しておきながら、
不法投棄の確認調査を行わないことは、「行政の不作為」にあたります。

高濃度のダイオキシン類が検出された計画地の沢は、
豊富な地下水が伏流水となり、直接海にまで流れているところです。
放置状態が続くと、さらに深刻な海洋汚染が懸念されます。

海の汚染は、もちろん宅野だけの問題ではありません。
要請書の提出に同行された大田市民からも、事の重大さを指摘する声があがりました。
市民の「食の安全」に直結する深刻な問題だからです。

大田市も、事の重大さを認識し、法に従って速やかに措置されることをのぞみます。