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2011年8月 4日

ダイオキシン類再検出 (H23.08.04 中国新聞)

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ダイオキシン類再検出
仁摩の処分場予定地付近の川
大田市調査 基準の倍

 
大田市は3日、同市仁摩町宅野の小規模河川で、環境基準値を超える
ダイオキシン類を検出したと発表した。

市の不燃物処分場予定地付近から湧きでた水で、環境基準値の約2倍
の濃度だった。この川では、2009~10年の調査で、高濃度のダイオキ
シン類を検出。市が5月から再調査していた。

市によると、川の3カ所で水を採取。うち2カ所で水の環境基準(1リットル
当たり1ピコグラム)を上回る2・3から2・1ピコグラムを検出した。残る
1カ所は0.5ピコグラムだった。

市は原因について「川の周辺は農地だった場所で、農薬の散布や野焼き
の影響が考えられる」と説明。有害物質などの不法投棄は確認できなかっ
たとしている。

処分場建設については、予定通り12年4月に着工する方針。処分場に水
質調整池を設け、環境基準を満たした水だけを放流する計画でいる。

一方、建設に反対する住民団体「大田の自然と生活環境を守る会」の西
尾功代表は「予定地の土壌汚染が確認された。このまま建設すれば、処
分場で汚染物質の流出事故が起きた場合、原因を特定できなくなる。」
と指摘している。


 
出てはいけないところからダイオキシン類が検出された場合、「農薬由来
である」と釈明するのが、不法投棄を認めない一般的な理由のようです。
しかし、16年も前に製造禁止になっているダイオキシン含有農薬を、いっ
たい誰が使ったというのでしょうか。

ダイオキシン類や重金属類が検出された川上には、大量の産業廃棄物と
思われる不法投棄があるのですから、そこから有害物質が湧出したものと
考えるのが妥当でしょう。

不法投棄を認めてしまうと、工事に大きな支障が出ることを恐れているの
でしょう。しかし、簡単なトレンチ調査をすればはっきりすることです。不法
投棄の事実を曲げることはできません。

この有害物質は、今までもこれからも、海を魚介類を、汚染し続けています。
一刻も早く原因物質の除去に着手することをのぞみます。

大田市が、処分場建設の着工を延期。

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平成23年8月4日 山陰中央新報
14年4月頃開始
大田市が見通し示す

 
大田市仁摩町宅野地区の新不燃物処分場建設計画で、同市は3日、
処分場の供用開始が、当初計画から1年遅れとなる「2014年4月頃」
とのスケジュールを、市議会全員協議会で示した。

処分場は、総容量5万立方メートルの屋根付きピット1基で、長さ105m、
幅40m、深さ14m。

市は当初、13年4月の供用開始を目指していたが、昨年9月、建設
位置変更に伴い同年10月に変更。その後生活環境影響調査などに
手間取り、さらに半年遅れるという。着工は12年4月。

全協では建設計画に反対する住民団体の指摘を受けて追加実施して
いる建設候補地内の土壌、水質調査の中間報告もあり、市は、ヒ素、
鉛、ダイオキシンとも、現段階でいずれも環境基準値を下回っていると
説明した。


 
何故、大田市は事実を曲げて伝えようとするのでしょうか。

全協の配布資料においても、
「ボーリングコア分析から、ヒ素(0.029mg/リットル)、鉛(0.015mg/リットル)
が検出された(いずれも環境基準は0.01)」とあります。
また、ダイオキシン類に関しても、検査した3カ所のうち、2カ所で、
「SR-1で、2.1pg-TEQ/リットル、SR-2で、2.3pg-TEQ/リットルが検出され
た(いずれも基準値は1pg-TEQ/リットル以下)」とあります。

また、ダイオキシンについては、濁水成分に付着したダイオキシン類をろ過
して計測したら、基準値以下となった、と報告しています。
実際に検出されているダイオキシンを、ろ過して取り除いて、再び測り直した
ら基準値以下となりました、というインチキは、まるで子どもだましのようです。

さらに、なぜ重金属類やダイオキシン類が検出されるのかの説明がない。
ダイオキシン類が検出されている以上、人為的な行為(不法投棄)があった
ことは明白です。重金属類もその埋立物からの溶出と考えるのが妥当です。

不法投棄から溶出された有害物質は、伏流水によって海に垂れ流しの状態
になっています。このままでは、魚介類への深刻な影響が考えられます。
これを放置したままにして、原因物質を除去することなく、強行に計画を進め
ようとするのは、やっぱりいけないことです。

ダイオキシンや重金属に汚染された魚介類を食べたいとのぞむ人は誰もいま
せん。海の汚染の是非は、市の判断なんかで決められるものじゃない。