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2012年5月20日

工事説明会

完成予想図.jpg

 
今日、工事説明会がありました。
大田市は、いよいよ新処分場の建設工事に着工するようです。

工事中の環境影響調査に関して、
出席者からの質問がありましたが、
コンサルの担当者が口頭で回答しただけでした。
町民への公開を要請しましたが、
モニタリング結果の公表方法に関しては、
「今後検討する」とのこと。

不法投棄現場の掘削等は、
どういうかたちで進めるのでしょうか。

肝心の稼働後の環境影響調査等に関しても、
一切触れずじまいでした。

地元で建設推進を進めてきた有志の委員会が、
市当局との窓口をしています。
町民の不安を拭ってくれるような、
きちんとした知識と良識を持った対応を期待しますが、
どうも、この調子では先が思いやられます。

今日、説明会の最後に、
これまで処分場建設に反対してきた一人の出席者の
素敵なスピーチがありました。


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この新処分場建設に関して、これまでの経緯としては、
計画説明から始まり、事業決定がなされ、行政手続きが完了し、
今日このように建設工事の説明会となりました。

意見と御礼を申し上げる最後の機会となりましたので、
5分程度お時間をいただければ有り難く思います。

これまで行政や皆様にお願いしました真意は、これから申し上げる3つのことです。

ひとつは、この宅野の環境を今よりも悪くさせないということ。

原発事故でおなじみになりました「環境基準値以下ですから安全」
ではなく、今でも良くないのに、いまより悪くさせない、ということです。
万一事故が発生すれば、町の環境汚染や海洋汚染は明らかです。
何故なら、既に今ある3つの最終処分場からも汚染物質が流れ出て
いることが、島根県の保健所の調べで分かっています。

ふたつめは、こうした大規模な処分場の管理責任の問題です。

今度の建設予定地の伏流水から、既にダイオキシンが基準の7倍も
出ていますが、市当局は農薬のせいにしています。農薬に含まれる
ダイオキシンは、15年も前から規制されており、現地では近年耕作
もされていないのに、その農薬が原因とは不思議なことです。
仁摩の処分場からは、同じく島根県保健所の調べで、ヒ素が基準値の
60倍も出ました。
また、静間、温泉津の処分場には、ちょうど雨の降る日に現地に行き
ましたが、処分場の汚染された雨水が処理施設に入ることもなく、その
まま海に流れていました。
こうした処分場に関心が集まる最中にあっても、市当局は除染もせず、
そのまま放置の状態です。
私たちはこのようなところで生活をしています。こうした管理意識は、
新処分場においても変わらないのではないかと危惧します。

みっつめは、浸出水の処理のことです。

この度の計画では、処分場の処理水が私たちの一般下水道に流され
ることになっています。事前に処理されたとしても、処理しきれない危険
な化学物質が町中の下水道を巡回します。気化したり、とんがった異臭
がしたり、気がつかなくても、呼吸異常や喘息、また皮膚に異常等が発生
するかもしれません。
これは提案ですが、起きるかもしれない事故を想定するなら、専用の
下水道を造って、きちんと処理をした上で、仕方なく海に流す方がまだ
良いのかもしれないと思ったりします。

これまで皆様方に陰ながら励まされ、自分でも多くを学び、お伝えをして
まいりました。
処分場の必要なこと、完全な処理が人間にできないことは、よく理解して
いるつもりです。
ドイツでは、最終処分場は、漏れた汚染水が地盤に支えられ、それ以上
には汚染が広がらないような山間部に造られたりしています。また、古い
処分場を再処理して使っている例もあります。
この処分場の総事業費は、当初の26億円から着工前の現在では41億円
もに膨らみました。
事業主体は市当局ですが、これらのお金は私たちの税金です。
そして今後私達が背負っていかなければならない借金にほかなりません。

これから先は、今申し上げたような不安が現実にならないよう、市当局と
この処分場建設に賛成された宅野のみなさんとが、一緒になって行動され
ますよう、私もできることは協力させていただきたいと思います。

ここまでご支援いただき御礼申し上げます。

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